2022.12.12
  • twitter
  • facebook
  • はてなブックマーク
  • 印刷

些細に見えることを大切に

日々寒くなってきましたね。いよいよ今年も残り一か月を切りましたね。 前回は教材について、お店などに行かなくても意外と身近にあるものでも活用できそうというテーマでお話をしました。特に特別支援学校の授業づくりでは「子どものニーズに合わせる」という視点も大切になりますので、そこで使用する教材も子どものニーズに合わせてオーダーメイドで準備していくことも必要になりますね。今回はそこに視点を当ててお話していくことができればと思います。よろしくお願いいたします。

信州大学教育学部附属特別支援学校 教諭 丸山 裕也

クリスマスに向けて

クリスマスのオーナメント

先週集めた材料を使って、実際に作品を作ってもらいました。
これは太めの枝を輪切りに切ったものに、プラ板で作ったクリスマスツリーを貼り付けて作ったオーナメントです。なかなか素敵に出来上がっていますよね。

提示した材料は太めの枝とまつぼっくりでしたが、生徒は枝の方を選んでくれました。
プラ板を付けたのも生徒のアイディアで、学級の生活単元学習で使った余りのプラ板を使っています。
生徒のアイディアで、オーナメントとして使った後はキーホルダーとしても使えるように、細めのコードを取り付けました。
それ以外にもいろいろ、生徒と相談をしながら制作を行いました。
「生徒と相談」することは、授業が一方的にならず、対話的な学びにつながる一つの手がかかりとなります。特に特別支援教育の現場では、生徒の実態がそれぞれ異なっていますので、そのニーズを把握することが授業づくりや支援を考える上で非常に重要となります。

自分だけのオリジナル治具を作る

作業に必要な治具も…。

さて、突然ですがこの写真は何の写真だと思いますか?
実はこのプラ板の作業をするときにピンセットを使うのですが、そのピンセットを使った後に収めておく場所がなかったんですね。
収めておく場所を決めておかないと、どこかに行ってしまったり、落としてしまったり、けがをするかもしれません。
その様子を見た私が100円均一の仕切り板を使って作ったピンセット置きを作ると、その私のピンセット置きを見て生徒が同じように作ってくれたのが写真のピンセット置きです。
その生徒が作った、その生徒のためだけの、大事な教材ですね。

些細なことのように思うかもしれませんが、こういった積み重ねはとても大切なことだと私も考えています。
こういった小さな発見を大切にしていきたいですね。

丸山 裕也(まるやま ゆうや)

信州大学教育学部附属特別支援学校 教諭
公認心理師、学校心理士、障害者スポーツ指導員(初級)、福祉用具専門相談員
「あした、またがっこうでね。」と、子どもも教師も伝え合うことができるような、楽しい学級づくりを目指しています。また、障害のある子どもたちの心の健康について、教育と心理の二面からアプローチしていく方法を考えています。
特別支援学校で出会ってきた子どもたちとの学びを、皆さんにお伝えしていきたいと思っています。


ご意見・ご要望、お待ちしています!

この記事に対する皆様のご意見、ご要望をお寄せください。今後の記事制作の参考にさせていただきます。(なお個別・個人的なご質問・ご相談等に関してはお受けいたしかねます。)

pagetop