My 仕事術(番外編)
今回は、一旦国語の話から離れて私のおすすめの仕事術を紹介させていただきます。
ジャンルはバラバラですが実践した中で、おすすめの4つです。
明石市立錦が丘小学校 教諭 川上 健治
【その1】早く退勤したいけれど、学級通信を毎日出したい先生のために……
私は、教師になって毎年、学級通信を出しています。その意図は、人それぞれだと思いますが、私の場合は、私の考えとクラスの様子を保護者の方々に届ける意図があります。届け方は毎年変えており、例えば、6年生の担任の場合は、子ども達に向けて伝えている書きぶりにしています。それは、6年生くらいになると、自分たちでも読み、私の意図なども理解できるからです。そして、それを読んだ、保護者にも暗に伝わるからです。逆に、今年度のように1年生を担任した場合は、もちろん、保護者に向けて伝えている書きぶりにしています。それは、もちろん1年生の理解力に合わせていたら、伝えたいことの1割くらいしか伝わらないからです。
まだまだ試行錯誤の段階ですが、今年度の試みで今後も使えそうだというものがありました。それは、「~になったらいいなぁ」ということを想定して作る「希望型学級通信」の方法です。今年度は、1年生担任ということもあり、毎日学級通信を出しています。あまり、文才の無い私にとって、この作業を毎日続けるのは中々の負担です。教育は、突き詰めれば「終わりはない」ものですが、時間は有限です。私は、どんなに、どんなに遅くとも18時には仕事場を出て、プライベートの時間を確保したいのです(笑)。この限られた時間の中で、毎日学級通信を出すことは、最悪、学級通信を作ることに意識がいきすぎ、大事な日々の授業を疎かにしてしまうということにも繋がりかねません。そこで、私は、毎週金曜日の夜に翌週の5日分の学級通信の大まかなフレームを作成しておきます。それが名付けて「希望型学級通信」です(笑)。例えば、かなりシンプルに書くと、月曜日に体育があるのであれば、前もって「鉄棒をしました。各グループで協力して教え合いながら技の完成度を高めていました」や国語の音読発表会があるのであれば、「目線や立ち方に気をつけてリズムよく音読ができていました。また、聴く子の態度も素晴らしかったです」のような感じです。要は、自分がこうなってほしいと考える(A評価がつくような)子どもの姿を前もって書いておくのです。これにより、あとは写真を撮って、そのフレームに埋め込むだけで完成します。すると、平日に次の日の分の学級通信を作る時間は5分で済みます。かなり時間短縮ができます。また、このやり方の副次的なプラス要素として、前もって、理想の子ども達の姿をイメージしているので、そういう目線で子ども達をみることができます。すると、理想の素晴らしい行動をしている子に目がいき、褒めることができます。1年生は、友だちが褒められると、その行動が価値ある行動だと認識し、我も我もと同じ行動をしようとしてくれます。結果、クラス全体が、理想の姿で埋め尽くされるわけです。そうなると、前もって書いた学級通信通りになり、作り直さなくて済みます。理想の姿になってもないのに、「理想の姿になって素晴らしかったです」というのは嘘になるので……。これは、時短をしたいけれど、毎日学級通信を書きたい自分にとっては、かなりはまったやり方でした。
【その2】子ども達を褒めることが苦手な先生のために……
【その3】毎年、成績処理に四苦八苦する先生のために……
【その4】お先に失礼したい先生のために……
働き方改革の波が小学校教師にも来ています。先にも書きましたが、教師の仕事は突き詰めれば、終わりはありません。人よりも遅くまで仕事をしている先生が熱心だと考える管理職はもう時代遅れですよね。何より、私の矜持は、人目の付かないところで頑張り、人目につくところでは、さらっとこなすことです(笑)。従って、先輩が残業していても、18時には踏ん切りをつけて「お先に失礼します」となります。しかし、仕事の遅い私は、先輩より早くに仕事を終え、持ち帰り仕事も金曜日しかしないのに、先輩に追いつけるわけがありません。ではいつするのか? それは、朝6時20分からです。子育て世代の方には、無理かもしれませんが、若手の先生や一人暮らしをしている先生なら可能なのではないでしょうか。(管理職から鍵を頂けたらの話ですが……)朝の時間が人間にとって、一番効率の良いパフォーマンスができるというのは周知の事実だと思います。しかも、職員室には自分以外いません。仕事がはかどらないはずがありません。この朝の時間を有効活用して、前日に残して帰った仕事の続きをしたり、時間があれば教育書を呼んだりという時間に充てられます。その代わり、夜は10時に就寝ですが。初めは、辛いと思いますが、慣れてくるとなんてことはありません。この朝の時間を有効活用できれば、「お先に失礼します」も夢ではありません。
以上仕事術を含め4つのことを書かせていただきました。どれか一つでも、参考になれば嬉しいです。次回からは、国語科の話に戻しますので、引き続きよろしくお願いいたします。
川上 健治(かわかみ けんじ)
明石市立錦が丘小学校 教諭
クラスの全員が楽しく学び合い「分かる・できる」ことを目指して日々授業を考えています。また、様々な土台となる学級経営も大切にしています。
同じテーマの執筆者
-
兵庫県神戸市立桜の宮小学校 特別支援教育士スーパーバイザー(S.E.N.S-SV)
-
帝京平成大学現代ライフ学部児童学科 講師
-
京都教育大学附属桃山小学校 教諭
-
さいたま市立植竹小学校 教諭・NIE担当
-
兵庫県姫路市立坊勢小学校 教諭
-
岡山県教育委員会津山教育事務所教職員課 主任
-
福岡市立千早西小学校 教頭 今林義勝
-
大阪市立堀江小学校 主幹教諭
(大阪教育大学大学院 教育学研究科 保健体育 修士課程 2年) -
大阪府公立小学校 主幹教諭・大阪府小学校国語科教育研究会 研究部長
-
戸田市立戸田第二小学校 教諭・日本授業UD学会埼玉支部代表
-
佛教大学大学院博士後期課程1年
-
小平市立小平第五中学校 主幹教諭
-
兵庫県西宮市立甲陽園小学校 教諭
-
長野県公立小学校非常勤講師
-
木更津市立鎌足小学校
-
北海道公立小学校 教諭
-
東京都東大和市立第八小学校
-
東京学芸大学附属大泉小学校 教諭
-
愛知県公立中学校勤務
-
大阪大谷大学 教育学部 教授
-
東京都品川区立学校
-
岡山県赤磐市立桜が丘小学校 指導教諭
-
神奈川県公立小学校勤務
-
寝屋川市立小学校
-
明石市立鳥羽小学校 教諭
-
仙台市公立小学校 教諭
ご意見・ご要望、お待ちしています!
この記事に対する皆様のご意見、ご要望をお寄せください。今後の記事制作の参考にさせていただきます。(なお個別・個人的なご質問・ご相談等に関してはお受けいたしかねます。)