2019.12.24
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「様々な教科で辞書活用!」

さいたま市立海老沼小学校 教諭・NIE担当 菊池 健一

辞書の問題ができない……

以前、勤務校のあるさいたま市で実施される学習状況調査の問題を作成する委員を務めていたことがありました。担当した問題が国語辞典の引き方に関する問題です。小学校・中学年では国語辞典を活用して、分からない言葉を調べられるようになることが大きな目標になっています。その学習内容がしっかりと身に付いているかどうかを確認できる問題を作成しました。例えば「ボール」と「ホール」のどちらが国語辞典の先に出てくるかという問題です。問題を作成する際には全体の7割ぐらいが正解できるだろう問題を作るつもりで行ったのですが、実際の正答率は2割程度でした。
これは、国語辞典の活用頻度が少なく、辞書が児童にとっての有効な道具となっていないからであると考えました。児童が使用している教科書では5月ぐらいに短い単元で国語辞典の引き方を学習します。その学習が終わると国語辞典を引く機会が無かったり、あるいは自分の辞書をもたずに使う時だけ学校図書館から持ってきて使っていたりすることが児童にとって辞書を身近に感じられない理由だと思います。そこで、児童がいつでも辞書を身近に置き、様々な場面で活用できる環境を整える必要があると考えました。

辞書を引くきっかけを作る

まずは、辞書を常時使えるようにするために、今話題の学習である「辞書引き学習」を導入しました。「辞書引き学習」は中部大学教授である深谷圭助先生が提唱される学習方法で、これまでの指導法を逆転させ、辞書を開いて知っている言葉を探す学習法です。児童は辞書から知っている言葉を探して、付箋を付けていきます。がんばればがんばったほど付箋の数が増えていくので、児童はとても意欲をもって辞書の活用に取り組んでいきました。
辞書引き学習が進んできたら、1日に数回みんなで辞書を引いてみる活動を行います。例えば、天皇陛下の即位に関する儀式のニュースがあった際には関連する言葉を引いてみます。また、スポーツや季節などテーマを提示してそれに関する言葉を探す活動なども行っています。このような活動を行うことで、児童が辞書を引くことに抵抗が無くなり、自然と辞書を活用できるようになってきます。

辞書を様々な教科等で活用!

児童が、自然と辞書を活用できるようになってきたら、様々な教科や領域等で積極的に辞書を活用するようにしています。例えば、算数の学習は重さを学ぶ時に重さの単位を調べたり、社会科で関連する用語を調べたりしています。そうすることで、各教科等の学習の充実にもつながるだけでなく、辞書を引く能力や語彙力のアップにもつながります。
今日も菊池学級では辞書を活用しています。総合的な学習の時間に地域で有名な伝統産業である人形作りについて調べています。そこで、まずは辞書を活用して関連する用語を調べました。
「先生、『ひな人形』を辞書で引いたら詳しい説明が載っていたよ」
「職人さんが言っていた『分業』という仕事の仕方についても書いてあるよ」
と、話していました。これからも、常に辞書を身近に置き、様々な場面で活用していきたいと考えています。

菊池 健一(きくち けんいち)

さいたま市立海老沼小学校 教諭・NIE担当
所属校では新聞を活用した学習(NIE)を中心に研究を行う。放送大学大学院生文化科学研究科修士課程修了。日本新聞協会NIEアドバイザー、平成23年度文部科学大臣優秀教員、さいたま市優秀教員、第63回読売教育賞国語教育部門優秀賞。学びの場.com「震災を忘れない」等に寄稿。

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