2019.11.02
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「学んだことを生かして新聞作り!」

さいたま市立海老沼小学校 教諭・NIE担当 菊池 健一

3年生でも新聞づくりを

現行の学習指導要領には、国語科・中学年の言語活動例として「新聞作り」が取り上げられています。来年度より完全実施される指導要領においても、新聞の活用が重要視されており、新聞作りが国語科においてのみでなく様々な教科領域等で実践されるはずです。
各教科書を見ると、主に小学校4年生で新聞作りを取り上げている場合が多いようです。新聞の構成や取材など、活動が高度になるので3学年よりも4学年の方で取り上げられるのだと思います。しかし、実践する先生方に感想を伺うと、4年生から新聞作りをはじめてもすぐにうまく書けないというご意見が多くありました。そこで、本格的に学習新聞を作成する学習の前に、簡単な新聞を作る活動を行っておくことによって、4学年以降の新聞作りにも役立つと考えました。
今回実践したのが、調べたことを「見出し」「絵」「記事」の簡単な内容でまとめた『1枚新聞』作りです。3学年の児童を対象に行いました。児童はこれまでも取り組んできた絵日記のようなイメージで活動に取り組めるので非常に意欲的に活動することができました。

新聞作りの実践

実際の授業では、児童が社会科見学に行って学んだことを新聞にまとめる活動を取り上げました。児童は市内にある人形工場やお菓子を作っている工場を見学し、工場でどのような仕事が行われているかを詳しく学び、その中から一番伝えたいと思うことについて新聞にまとめました。
新聞づくりを行う前段階として、どのようなことを書くかを考える「新聞構成シート」作りを行いました。まずは、自分が一番伝えたいと思ったことを10文字から15文字ぐらいの言葉で見出しにします。これまで、いろんな教科で新聞を活用しながら、見出しが記事の大まかな内容をつかむためにとても有効であることを学んできました。そこで、今回は児童が、読み手に記事の内容をしっかりと伝えられるように見出しを工夫して考えさせました。児童が考えた見出しには、
『ほとんど機械で作業、チョコレートづくり!』
『たくさんの機械で作業、人はけんさ』
『一つひとつていねいに作業、人形作り』
『いろんな作業を分たんして人形作り』
など、伝えたいことをしっかりと短い見出しにまとめることができていました。
次に、見出しを付けた内容を絵にします。児童は絵を描くのが大好きです。とても楽しそうに取り組むことができました。絵が描けたら、いよいよ記事の執筆です。今回は記事の構成を「分かったこと」と「考えたこと」に分けて2段落で構成するようにしました。ここでは国語科での学習を活かすことができました。
新聞作りの前に構成シートを作っておくことで、新聞作りを円滑に進めることができました。児童は、構成シートを修正しながら、よりよい記事にしていきました。授業では出来上がった新聞記事を友達同士で楽しそうに発表し、みんなで社会科見学の学習を共有できました。

新聞作りから得られたもの

今回の学習で、新聞の特徴を理解しよりよく伝えたいことを書くための方法について学ぶことができました。見出しが読者を引き付け、記事の大まかな内容について知らせることができることを改めて学びました。また、記事も事実と感想を分けて書くことで、内容をより分かりやすく伝えることができることが分かりました。
これからも、様々な教科領域等で新聞づくりを行い、学習した内容や調べた内容をまとめる活動を取り入れたいと考えています。そしてその活動が、次の学年で行うたくさんの記事を合わせた学級新聞作りや高学年でのさらに高度な新聞作りにつながると思っています。
また、新聞には自分たちが調べていることも載っていることに気が付きました。そこで、児童にはこれからも新聞を積極的に見て、学習と関連する記事を見つけてみてほしいと思っています。きっと児童は、学習している内容と関連する事項を新聞などから進んで見つけるようになると考えます。児童の自主的な活動が楽しみになってきました。

菊池 健一(きくち けんいち)

さいたま市立海老沼小学校 教諭・NIE担当
所属校では新聞を活用した学習(NIE)を中心に研究を行う傍ら、放送大学大学院生として研究活動も行う。日本新聞協会NIEアドバイザー、平成23年度文部科学大臣優秀教員、さいたま市優秀教員、第63回読売教育賞国語教育部門優秀賞。

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