授業にもルーティンを!(第2回)
子ども達が安定した授業を受けられるようにするには?一発の打ち上げ花火の連続よりも大切なことを公開させていただきます。
明石市立錦が丘小学校 教諭 川上 健治
前回は、4月に学び合える学級集団の土台をつくっておく大切さを書かせていただきました。今回は、その土台をつくった上で、どのように国語科の授業を進めているか紹介します。
話は変わって、メジャーでも大活躍したイチロー選手を知らない人はいらっしゃらないと思います。あのイチロー選手は「ルーティン」を大切にしていることはあまりにも有名です。家を出るときから打席に入るまで、ありとあらゆることをルーティン化しています。それは、余計なストレスをなるべく省き、野球に集中するためだと言われています。
ルーティンをもつことで、精神を安定させ、いつも通りの力を発揮することができます。かく言う私も、家を決まった時間に出発し、決まったコンビニに行き、決まった商品を買い、決まったラジオを聴きながら、決まった時間に仕事場に着くなど毎日同じ行動をとっています。このうち、どれか一つでも欠けたら不安になります。気持ちを安定させるために、毎日同じ行動をとっています(イチロー選手と同列に書いてしまいおこがましいですが……)。
これは私の例ですが、同じような考えの人は結構いらっしゃると思います。
ここで、話を国語科の授業に戻します。授業を受ける子ども達も、毎回違った流れで1時間の授業が展開されたら落ち着かない子も出てくるのではないでしょうか。だからこそ、私は国語科の授業に子どもが行う司会者をつくり、毎回以下のように同じ流れで進行させるようにしています。
- 前回の振り返り(2分間)
- めあての確認
- 一人学び(5分間)
- グループトーク(7分間)
- 全体交流
- まとめ
- 振り返り
この7つの手順を司会の子が流していきます。もちろん、司会者がどこで何を言うか一つひとつのセリフも決めています。そして、グループトークの話し合いの仕方も台本をもたせて毎回同じにしています。
1時間の授業の流れが毎回同じだからこそ、子ども達は見通しをもてます。見通しをもって、毎回同じように取り組めるからこそ、気持ちが安定します。気持ちが安定することで、本時で達成したい課題にも集中して取り組むことができます。また、司会者をたて進行表に沿って子ども達が授業を流していくことで「自分たちの授業」だという意識も育てることができます。
国語科の授業では一発の打ち上げ花火の連続よりも、地道だけれど着実な連続を大切にしていきたいです。自立した学習者を育むためにも……。
川上 健治(かわかみ けんじ)
明石市立錦が丘小学校 教諭
クラスの全員が楽しく学び合い「分かる・できる」ことを目指して日々授業を考えています。また、様々な土台となる学級経営も大切にしています。
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