社会科でスーパーの仕事を学ぶ
中学年の社会科で「働く人々」という単元があります。本校の児童は、スーパーマーケットを取り上げた、そこで働く人々が、お客の願いをかなえるためにどんな工夫をしているのかを調べてまとめる学習を行います。実際にスーパーマーケットの見学をしたり、自分の家族にインタビューをしたりして学習を進めます。
児童は普段自分の家で必要なものを買うために使っているお店のことを学習するのでとても意欲的でした。家族へのインタビューから、スーパーのお客が「安さ」「新鮮さ」「買いもののしやすさ」「行きやすさ」などを求めていることが分かりました。そこで、児童は、自分が見学を通して調べたいことについて考えました。
「いつも行くスーパーの裏側はどうなっているのだろう」
「どこでお総菜などを作っているのだろう」
「レジの仕事以外にどんな仕事があるのだろう」
など、友達同士で相談しながら、見学への期待を高めていました。
見学前に新聞学習導入
見学の準備と並行して、スーパーの仕事に関する新聞記事をもとに、仕事の工夫を読み取る活動を行いました。児童は普段から、様々な教科で新聞を活用して学習しているので、新聞からどんなことが書かれてあるかを読み取ることができます。中学年なので、写真や見出し、そして読める部分を参照して大まかにどんなことが書いてあるかを読み取るようにしています。
用意したのは、自動レジを導入している記事、売り場で惣菜の投票を行っている記事、ネットで宅配をするサービスを取り入れている例などを取り上げている記事です。児童はそれらの記事から、お客のどのような願いを元に、スーパー側が記事にあるような工夫をしているのかを考え、友達同士で話し合いました。
「自動レジになるとスムーズに会計できるから、時間がない人にはうれしいね」
「宅配をしてくれると体が不自由な方やお年寄りも買い物をしやすくなるね」
「お惣菜のグランプリをすることで、楽しく買い物をすることができるね」
など、児童は友達と記事を読んだ感想を話し合っていました。
それらの活動を通して、児童はスーパーの仕事への関心を高めていきました。実際にスーパーの見学をする際にも、記事にあったスーパーの工夫をたくさん見つけることができていました。また、疑問に思ったことなどを積極的に店員さんに質問したりもしていました。
これからも新聞で新たな工夫を調べてほしい
今回の学習で、新聞には自分たちが調べていることも載っていることに気が付きました。そこで、児童にはこれからも新聞を積極的に見て、学習と関連する記事を見つけてみてほしいと思っています。きっと児童は、学習している内容と関連する事項を新聞などから進んで見つけるようになると考えます。児童の自主的な活動が楽しみになってきました。
次回は工場の仕事を調べる学習があります。ここでも関連する新聞記事を活用して、児童が進んで工場の仕事の秘密を探っていくような授業をデザインしたいと考えています。
菊池 健一(きくち けんいち)
さいたま市立植竹小学校 教諭・NIE担当
所属校では新聞を活用した学習(NIE)を中心に研究を行う。放送大学大学院生文化科学研究科修士課程修了。日本新聞協会NIEアドバイザー、平成23年度文部科学大臣優秀教員、さいたま市優秀教員、第63回読売教育賞国語教育部門優秀賞。学びの場.com「震災を忘れない」等に寄稿。
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