2019.09.07
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「NIEの大先輩から学ぶ」

さいたま市立植竹小学校 教諭・NIE担当 菊池 健一

NIEの大先輩の講演

今年の夏休みに埼玉県のNIE推進協議会主催の「NIEセミナー」が開催されました。NIEはNewspaper in Education の略で、新聞を授業などに活用することを言います。様々な学校で新聞を作ったり、新聞を読んだりする学習が現在も行われています。また、新学習指導要領にも新聞の活用が盛り込まれたことからも、今後さらに新聞を活用した学習に注目が集まると思います。
今回の研修会で講師を務められたのは、中学校教員として長年NIEの実践を積み、数年前まで新聞社のNIE企画デザイナーとして全国の教員の指導に当たってきた、鹿野川喜代美先生です。私も若いころに、新聞をどのように活用したらよいかについてご指導いただいたことがあります。そこでは、新聞を丸ごと使って活動する大切さや、新聞を使うことで子どもたちが社会とのつながりを意識しながら学習できることなどを学びました。それから10年以上、自分なりに実践を積み重ねてきましたが、さらにステップアップするために、もう一度先生の御指導をいただきたいと考えました。

研修会での学び

研修会では、ワークショップ「囲み取材を体験しよう」というが行われました。最初に3人から4人でグループを作り、全員が夏休みの思い出などを話します。その後で話を詳しく聞いてみたい1人を選んで、他のメンバーが囲み取材(インタビュー)をします。そこで聞いた話をもとに、10文字以内で取材をした人の人となりを表現し、発表をしました。鹿野川先生は、この活動を通して新聞の「見出し」の重要性に気付かせることを強調されていました。
私のこれまでの実践で、新聞の見出しを当てる活動や自分の書いた作文に見出しを付ける活動を行ってきました。それらの活動を通して、見出しの効果や重要性に気付かせるためです。しかし、今回のワークショップで行った囲み取材からの表現活動を行うことで、児童の「対話」的な活動も促され、より豊かな活動になっていると感じました。
また、鹿野川先生は、新聞写真を使う効果についても強調されました。参加者の教員にたくさんの新聞写真を見せ、気になった写真についてスピーチする活動を行いました。そして、その後に教科書の学習に入ることで児童の興味関心が高められ、授業が豊かになっていくと話されていました。
私も新聞写真を授業で積極的に活用していますが、写真を「授業にどのように活かすのか」を明確にしておくことで、児童に示す新聞写真を選ぶ際にも役立つことに改めて気がつきました。

新たな実践に挑戦したい

これまで10年以上、私なりにNIEの活動に取り組んできましたが、今回の研修会を受けて新しいNIEの指導へ向けたヒントをいただきました。今回の学びを生かして、2学期には新聞の「見出し」を使った実践や新聞写真を活用した実践をしてみたいと思っています。 
例えば、授業の終わりに、授業のまとめを10文字ぐらいの見出し風に表現させてみることや、新聞写真を示して児童が写真を見て分かることをたくさん発表させながら、教科書の内容にいざなっていくような授業を考えています。
これからも積極的に新聞を活用した実践に取り組んでいきたいと考えています。

菊池 健一(きくち けんいち)

さいたま市立植竹小学校 教諭・NIE担当
所属校では新聞を活用した学習(NIE)を中心に研究を行う。放送大学大学院生文化科学研究科修士課程修了。日本新聞協会NIEアドバイザー、平成23年度文部科学大臣優秀教員、さいたま市優秀教員、第63回読売教育賞国語教育部門優秀賞。学びの場.com「震災を忘れない」等に寄稿。

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