2018.08.21
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体育授業力向上のための教授技術(2.学習ルールの確認)

前回は、1.児童の安全確保について、とりわけ
 ① 児童の健康状態の把握
 ② 教師の正しい運動の行い方・特性理解
 ③ 施設、教材・用具等の入念な点検
 ④ 安全確保につながる指導の徹底の4点について述べさせていただきました。


今回は、
⒉学習ルールの確認です。
どうぞよろしくお願いいたします。

大阪市立堀江小学校 主幹教諭   (大阪教育大学大学院 教育学研究科 保健体育 修士課程 2年) 川村幸久

①体育授業の始まりは、着替えから

体育の授業は、子供たちの着替えからきちんと指導するようにしましょう。
「脱いだ服はきれいにたたむ」ことを子供たちにきちんと伝えるようにします。
基本的なことですが、先生がこの意識を持って子供に接するか接さないかで大きく変わってきます。
自分の服や靴下がなくなったということも起きにくくなるので、そのトラブル予防にもなります。

②集合の仕方

次に、集合の仕方です。
どのような隊形で集合するのか、サインを決めておくとよいです。
先生は、笛を吹いてサインを出して子供たちが集まるのを待ちます。
体育授業できちんと確認しておくと、朝会や、遠足・社会見学等でも活用することができます。
(児童の人数把握、安全管理にもつながります)
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先生の近くに座って4列横隊…授業の最初にめあてを確認する時や学習の振り返りをする場面で
先生の近くに座って腕の範囲に…取り組みの途中でポイントを確認したりする場面で
運動する子を中心に座る…運動のポイントを明確に見せる場面で
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集まる時は、周りの安全に気を付けて走って集合することも伝えておきましょう。


③集団行動

正しい集団行動を身に付けることで
 ① 安全に効率よく行動することができる
 ② 緊急時の事故防止につながる
 ③ 話を集中して聞くことができる
 ④ よい意味で緊張感を保つことができる
そのためにも子供たちに継続して、丁寧に丁寧に伝えていくようにします。


腰を下ろして座る場合
 ・ 背筋を伸ばして座る(背中をピンッと伸ばす)
 ・ 話をしている人の方を向く(おへそを向ける)
 ・ 手はひざの少し下で組む
 ・ 両ひざはそろえて軽く曲げる

気をつけの姿勢
「休め」のご号令をかけてから、「気をつけ」の号令をかけます。
 ・ 前の人の頭を見る
 ・ あごを引いて、正面を見る
 ・ 指先はピンッと、ズボンの線にそろえる
 ・ かかとは合わせる
 ・ つま先は、45°~60°で開く

休めの姿勢
楽な姿勢になるようにしますが、視線や手の位置などは乱しません。
 ・ 手は後ろで軽く組む
 ・ 体重は両足にかける
 ・ 左右を1歩横に肩幅程度開く

学習ルールの確認において

大切なこと

ここまで読んでくださった先生は、どこかルールばかりの締め付けている学級をイメージされるかもしれません。
学習ルールの確認において、一番大切なことは
最終的には子供たちが自分でその場の状況に応じて行動できるようになるということです。
先生の決めた細かいルールをすべてそのまま言われた通りに、守るのがよいことではないということです。
これまで書いてきた
 ① 体育授業の始まりは、着替えから
 ② 集合の仕方
 ③ 集団行動
この3つはあくまでも基本であって、児童の発達段階に応じて、児童自身が自分で考えて行動できるようにしていかなくてはいけません。
この本質を根幹に据えたうえで、先生は学習ルールの基礎基本を理解して指導にあたらなくてはいけません。
『子供たちに〇〇させる』
ではなく
『子供たち自身が自分で考えて行動できるように支えていく』
に変えていく指導でないとあまり意味をなさないと考えています。

川村幸久(かわむら ゆきひさ)

大阪市立堀江小学校 主幹教諭
(大阪教育大学大学院 教育学研究科 保健体育 修士課程 2年)
教師生活15年目。これまでの担任・教務主任の経験、大学院での学びを省察し、学級経営やICT活用、体育科教育を中心に、皆様と情報共有をさせて頂ければと思います。

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