2018.06.04
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ありがとう

「ありがとう」をどのように大事にしていくか。

京都教育大学附属桃山小学校 教諭 若松 俊介

最近、どんなときに「ありがとう」って言いましたか?

「ありがとう」ってふしぎな言葉。
「ありがとう」を言っても言われても、
何だか心があたたかくなる気がしませんか?

別に「ありがとう」のために行動してるわけではないけど、
でもどこか「ありがとう」に救われることがある。
次のやさしさを生み出す不思議な言葉だなぁと思っています。

「有り難い」という思い。
周りの人との関わりの中で、当たり前のことなんて何一つありません。
一つひとつのことに「ありがとう」を意識するだけで、
何だかやさしい心が自分の中に芽生えてくる気がします。

最近ある子のふり返りに、この言葉についての思いが書かれていました。
「ありがとう」のおかげでやさしくなれる自分が生まれてきたようです。
自分の中で実感したからこそ、こうした言葉を大切にしていこうとするでしょう。

ただ、「ありがとう」が義務になればしんどいですよね。
「ありがとう」って言いましょう、という指示はどこか違和感を感じます。
「ありがとう」を強要されると自分だって嫌だなぁと思います。
心の内側から自然と出てくる言葉だからこそ、そこに価値が生まれます。

ある子は「まほうの言葉」と書いていました。
短いけれども、なんか不思議な状況を生み出す言葉。
心から出てきた「ありがとう」は、相手の心までも動かしてしまいます。

目や態度で伝わるものだってあります。
ほんのささいな仕草にあらわれていきます。
心の中で「ありがとう」ってつぶやいているんでしょうね。

「ありがとう」

って大事な言葉だけど、
「大事だな」と子ども自身が感じられるような場を大切にしたいです。
本当の意味で「ありがとう」が大切にされた時、
やさしく受け止め合う空気が生まれていくでしょう。

そんな学級、学校、社会になればいいなと思います。
今日も、ボク自身が「ありがとう」を大切に過ごしたいです。

若松 俊介(わかまつ しゅんすけ)

京都教育大学附属桃山小学校 教諭
「子どもが生きる」授業を目指して、日々子どもたちと共に学んでいます。子どもたちに教えてもらった大切なことを、読者の皆様と共有していければ幸いです。国語教師竹の会所属。

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