2018.05.16
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「わかる」と「できる」をつなげる

子どもも大人も「わかる」と「できる」の狭間にいます。「わかる」で終わらないためにできることは。

京都教育大学附属桃山小学校 教諭 若松 俊介

最近、教室でよく「『わかる』と『できる』はちがう」といった話をします。

例えば「廊下を歩こう」

これを知らない小学生はほとんどいないと思います。
ほとんどの子が「わかる」の状態です。

でも実際、できていない子がたくさんいるのではないでしょうか。
廊下を走ってはいけないのはわかっているのにも関わらず、ついつい走ってしまう子がいます。
ここに「わかる」と「できる」の溝があります。

ただ、何度も言ったら「わかる」のではありません。
わかっているのですが、なかなか行動へと移っていかないんです。
「できる」までなかなかたどり着かない。

だからこそ、「わかる」自分を意識した上で、
「できる」までつながっていない自分をメタ認知することができる場をつくります。
自分自身の「今」をしっかりとふり返ることができるようにします。
もしかすると「廊下を歩こう」という知識だけあるだけで、
「なぜそれが必要なのか」と理解できていない場合もあります。
ふり返る中で、必要性や自分の甘さにも自分自身が気づいていくでしょう。

「できるようになりたい」と思わない限り、「できる」には近づきません。
また、「できる」までのイメージを子どもたち自身が持たないと何の変化も起きません。
「どうすればできるようになるのか」と考えていく中で、少しずつステップアップしていきます。

「わかる」と「できる」は違う。

大人だって同じですよね。
ダイエットの場面で考えてみましょう。
ダイエットの方法はあらゆるところにたくさん載っています。
やり方をわかっているのであれば誰もが痩せているはずです。
でも実際のところダイエット成功しない人の方が多いと聞きます。
やはり「わかる」と「できる」は違いますね。

わかっているのにできない。

ここを大人が考えておくだけで子どもへの接し方も変わってくるでしょう。
「わかる」場面をつくった上で、「できる」へのステップアップを支えていく。

「どうすればできるのだろう」
「こうすればうまくいくんじゃないかな」

という子どもたち自身の中の解を育てていきます。
この地道な試行錯誤による成長を大切にしていきたいものです。

1人ではなかなか難しいからこそ、一緒になって考えていきます。
ダイエットだって、支えてくれる人がいることで成功しやすくなります。

もちろん、命に関わることはじっくり待てません。
パッと止めないといけないことや「分からせる」ことも必要です。
ただ、それ以外は何度も試行錯誤していく過程を受け止めていきたいです。

子どもも大人も「わかる」と「できる」は違う。
だからこそ、一緒に支え合って「できる」へとつなげていきたいです。

若松 俊介(わかまつ しゅんすけ)

京都教育大学附属桃山小学校 教諭
「子どもが生きる」授業を目指して、日々子どもたちと共に学んでいます。子どもたちに教えてもらった大切なことを、読者の皆様と共有していければ幸いです。国語教師竹の会所属。

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