2018.04.15
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「NIEのよさを伝える」その②

さいたま市立海老沼小学校 教諭・NIE担当 菊池 健一

さいたま市での取組

 前回のレポートで、勤務校で実践しているNIE(Newspaper in Education)について報告しました。さいたま市では、市教委が主導して、市立全小中高等学校・特別支援学校で新聞の活用を行うことにしています。新聞を活用することは「社会への窓を開く行為である」として、当時の教育長が積極的に新聞活用を進めました。そのための市教委の施策として、

① 各校への新聞提供

② 新聞記者の講師派遣

③ 研修会の実施

が行われています。しかしながら、①の新聞提供は毎日提供されるわけではなく年に数回程度。そして、市教委のある市役所まで取りに行かなければならないため、利用する学校が少なくなってきたようです。また、②はそもそも新聞を活用した実践を行っていないので、あまり活用されていないようです。さらに③は、各校にNIE担当があまりいない状況で、研修会には担当でない教員や代理で参加の教員が多く、研修内容が学校全体に広がらない状況のようです。

 NIEだけに限らず、世の中にはいろんな指導法があります。もちろんそれらすべてを学校で網羅することは不可能だと思います。しかし、新聞の活用は現行の指導要領でも重要視されていますし、新学習指導要領にも「総則」の中に盛り込まれました。つまり、全教員が新聞の活用について考え、実践をする必要があるということです。教科書に盛り込まれるのでそれだけを行えばよいと考える方がいらっしゃるかもしれませんが、新聞を活用することは単に1回2回の実践で児童に根付くはずがありません。これから導入される大学入試問題例などを見ても、新聞を活用して、情報を主体的に扱える力をつけておかなければならないことが分かります。そういう意味でも、新聞を活用した取組を市内全体に本当の意味で広げていきたいと考えています。

研修会で話すチャンス

 毎年、市教委が行っているNIE研修会があります。そこでは、新聞社の方が講演をされたり、NIEの実践者である教員が、実践例について話したりしています。来年度は年度当初にこの研修会が開かれることになり、私の方で市内の先生方に話をさせていただけることになりました。そこで、NIEの重要性、そして楽しさなどをお伝えできればと考えています。これまでもこの会で話をさせていただいたことがあるのですが、参加者の先生たちが様々な年代や立場であり、経験もNIEに対する考え方も違うのでどのような話にしたらよいか迷いました。今回は、事前に参加者の先生方の構成や会場などをきちんと調べてから研修会に臨みたいと考えています。

 また、以下のように話をする際の工夫を考えています。児童の思考力を高めるためのツールを使って、私自身も考えてみました。(写真参照)

・話の最初に2030年の架空の新聞記事を示し、新聞活用によりさいたま市の児童生徒が各方面で活躍していることを示す。

・新聞活用が指導要領などにどう示されているかをきちんと整理して分かりやすく示す。

・実践例について、私のもののみではなく、いろんな学校のものを示す。

・児童の作品などの実物を示す。

・NIEを実践するためのツール(教材配列表を活用したもの)を配付する。

・NIE実践報告書(簡単なもの)を配付し、学校で研修をしやすくする。

などです。今から内容をきちんと精査し、できるだけたくさんの先生方にNIEの良さや必要性を示したいと考えています。

ホリエモンから学ぶ

 実業家である堀江貴文氏が著書の中で、「すべてがトライ&エラーである」「ゼロイチ思考をやめる」ということをおっしゃっています。これまで、私はNIEを進めることに関して、慎重になりすぎて、指導要領や学力学習状況調査のことばかりを話していました。それでは聞いている先生方が、「NIEをやってみよう!」という気持ちにならないと思います。また、NIEが広がらないといつも自分を責めて、自分の力のなさを嘆いていました。しかし、いきなり全体に広めるというのではなく、各学校に少しずつ新聞活用の芽を出して行くことを目標にしていけばもっと気持ちが楽になると思いました。

「各学校に児童生徒が日常的に新聞を目にする(手にする)環境を作る」 

「各学校で新聞を活用した授業がとりあえず行われている状況を作る」

ことを、まずは目標にしていきたいと思います。

 研修会の様子や成果など、またこのつれづれ日誌でご報告したいと思います。

菊池 健一(きくち けんいち)

さいたま市立海老沼小学校 教諭・NIE担当
所属校では新聞を活用した学習(NIE)を中心に研究を行う傍ら、放送大学大学院生として研究活動も行う。日本新聞協会NIEアドバイザー、平成23年度文部科学大臣優秀教員、さいたま市優秀教員、第63回読売教育賞国語教育部門優秀賞。

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