2018.02.02
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自分を好きになるためには

子どもたちから学んだ自分を好きになる方法

京都教育大学附属桃山小学校 教諭 若松 俊介

学級の子どもたちは、
毎日「ふり返る」ことを欠かしません。
4月には「何となく」ふり返っていた子も、
今は、自分なりに意味を持ってふり返っているようです。

先日、4月のふり返りを読み返す機会があったのですが、
ほとんどの子が自分の変化に驚いていました。

「ほんまにちゃっと書いて終わりだったなぁ」
「今は、ふり返らないと落ち着かない」
「書くことで自分の気持ちが整理されていく」

続けてきたからこそ、
一人ひとりの中に見えてきた世界があるようです。

先日、「自分を好きになるには」というテーマで、
ふり返りを書く機会がありました。

5年生となり、
「自分」が気になる年頃だからこそ、
「自分」をさらに深く考える時間が必要になります。

ある子のふり返りを紹介します。

「自分を好きになるためには、
自分を認めることが大切だと思います。
自分を認めるというのは、
自分の良いところだけを受け入れるのではなくて、
悪いと思っているところを受け入れるということです。
そうすると自分をこのままでいいと思える自分になります。
自分を大切にできるようになると、
友達・家族などの自分の周りの人を大切にできるようになります。
自分を認めた上で努力を続け、
向上心を持つことも大事だと思います。
目標を立ててなりたい自分になるために努力する。
それが自分を好きになるための近道だと思います。」

「自分をこのままでいいと思える自分になります」
ってやさしい言葉ですよね。
自分へのやさしさが、
周りへのやさしさへとつながっていく。

だからといって「何でもいい」わけでなく、
努力を続けることで自分のことがさらに好きになる。

私たち大人にも響く言葉だなと思います。

自分を好きになる方法に正解なんてなく、
答えはいつも一人ひとりの心の中にあります。
自分を見つめる時間が増えるほど、
自分と対話する時間が増えるほど、
より考えは広がっていくでしょう。

「こうするべきだ」
「このように考えるとうまくいく」

を押しつけるのではなく、
たえず自分の中の解を更新していく場をつくっていきたいです。

自分の良さも悪さも認めた上で、
「自分のことを好きだ」と胸を張って言える子が増えますように。

若松 俊介(わかまつ しゅんすけ)

京都教育大学附属桃山小学校 教諭
「子どもが生きる」授業を目指して、日々子どもたちと共に学んでいます。子どもたちに教えてもらった大切なことを、読者の皆様と共有していければ幸いです。国語教師竹の会所属。

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