研究授業で感じること
今年度、1月に勤務校で研究発表会が行われ、私が授業を公開します。これまで、多くの研究授業を参観してきましたが、いつも思うことがありました。それは、公開される授業を作るうえで、担当される先生がどんなことを考え、どのように指導を行ってきたかが見えにくいということです。また、授業が進むにつれて児童がどのように変容してきているのかも見えにくいです。もちろん、研究授業で示される学習指導案には、本時の授業をむかえるまでの指導計画や教師の指導観などがまとめられてはいます。しかし、さらに参観する教員にも分かりやすくする方法はないものかといつも考えていました。
そこで、考えたのが研究授業を行う単元についてまとめた毎回の「授業報告」を作ることです。A41枚の簡単なもので、指導の実際と考察をまとめるようにします。また、児童の活動が分かりやすくまとめられる「実践パネル」を作ることです。児童の授業の様子を撮影しておき、写真と簡単なコメントで作成します。これらの取組により、参観される先生たちに、指導案だけよりもより深く研究授業について考えていただくことができるのではないかと思います。
授業の記録①「授業報告」
研究授業を参観される先生に示す一つ目は、前述した本時に向けた授業の「授業報告」です。A41枚の簡単なものを作成し、授業の流れと、児童の様子、そして指導の反省などを記入していきます。できれば、その時間の板書や児童の活動の様子の写真などもつけられるとより分かりやすくなると思います。
「毎回の授業をまとめていくなんて無理だ」
という声も聞かれそうですが、一度様式を作ってしまえば、毎回そこに上書きをしていけばよいので、それほど時間がかかりません。また、この報告を作ることで、教師としての指導の振り返りをすることもできると考えています。
授業の記録②「実践パネル」
「授業報告」と併せて、児童の活動の写真を多く盛り込んだ、実践パネルを作ることも大切であると思います。私の作るパネルは1回の授業につき模造紙1枚で、一番上に授業の目標を書き、あとは写真を中心にまとめていきます。授業を参観される先生方が、それまでの授業をダイジェスト的に理解していただくのに大変有効です。
こちらの作成も大変だと思われる先生方もおられると思いますが、毎回の授業を写真にとることで、教師としての振り返りに役立てることができます。また、実践をまとめ、雑誌などに発表する際にも役立ちます。
1月の研究授業では以上の2点を用意して臨みたいと考えています。そして、たくさんの先生方と授業について語り合いたいと考えています。
*写真は実践パネルです。

菊池 健一(きくち けんいち)
さいたま市立植竹小学校 教諭・NIE担当
所属校では新聞を活用した学習(NIE)を中心に研究を行う。放送大学大学院生文化科学研究科修士課程修了。日本新聞協会NIEアドバイザー、平成23年度文部科学大臣優秀教員、さいたま市優秀教員、第63回読売教育賞国語教育部門優秀賞。学びの場.com「震災を忘れない」等に寄稿。
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