2017.10.12
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支柱のような教師に ~書く力を高めよう~

熊本市立龍田小学校 教諭 笹原 信二

はじめに

 皆様、はじめまして。熊本市立龍田小学校の笹原信二(ささはらしんじ)といいます。

京都で19才まで育ち、大学から現在に至るまで、熊本在住です。

でも、熊本弁より京都弁の方が、細かいニュアンスは伝わります。

 教師生活も残りわずか。現在は担任をしたいなあ、と思いながら

理科専科をしています。

 あんなこと、こんなことがたくさんありました。

思い返しながら、そして、時代の変化に追いつきながら、

考え、実践していることを書いていきます。よろしくお願いいたします。

「支柱のような教師に」

 最近、植物が好きになりました。
特に、熊本地震を体験してからは、加速度的に好きになっています。
理科をしているのだから当たり前、と思われるでしょう。
音楽にもジャンルが様々あり、スポーツにも種目が多数あるように、
理科にも分野がたくさんあります。

 正直、植物はあまり得意ではありませんでした。
眺めていたり、水をまいていたりすると、好きになってくるのです。
触れ合うと、知ることが増えるからですね。

 学校で扱う植物はアサガオ、ヘチマ、ツルレイシ、カボチャなど、
つるを出すものが多いです。
ヒマワリやトウモロコシなど、どっしりしている植物も、
根がしっかりはるまでは、支えが必要です。

 「教師の役目って、支柱の役割をするんだな」と思うようになりました。
支援の仕方を考えるって大切だなあ、と改めて思います。

先行実践に学ぶ

 以前の本や論文を読み返しています。
古きよき時代に書かれたものではあるでしょうけど、
今日的な課題にピッタリとあてはまるなあと思うことが多数あります。
すべて、といっても過言ではないくらいです。
「主体的・対話的で深い学び」は言うまでもクリアしています。

 外国語教育、道徳教育、その他いろいろな転換が

起きようとしているこの時期。

多忙感もあって、音読や視写、自然体験など、
たくさんの大切なことが少しずつおざなりにされているようにも感じます。

書く力を高めよう

 対話的が話題になってから「話し合い」が増えてきました。
ペアで話し合う、グループで話し合う、と指導案には書かれています。
しかし、お互いの意見の確認で終わったり、一方的な話の言い合いに終始したりして、
「話し合い」にはなっていない場合もあります。
事務連絡レベルだったり、中には片方が教えるだけだったり。。。

様々な理由が考えられますが、
「自分の考えをもっていない」「考えが見えない」ことも一因でしょう。

 書く力を高めたいですね。自分の思いを可視化して、
友達の考えと似ているところ、違うところを出し合い、
認め合い、自分の思いを再構築して高めていく、
こういうサイクルをつくりあげたいものです。

「書かない子」クラスには何人かいることでしょう。

「書きなさい」と言っても書かないでしょう。
「書きたい」にしなければ進まないですから。
「サイ」ではうまくいきません。「タイ」でないと進まないですね。

「書きたい」にするためには、以下の2つは必須です。
1「書く材料をもたせる」(必然性)
2「書いたことでいいことがある」(達成感)

「書かない子」のノートを見ると、スカスカです。
字で埋め尽くされる美しさを味わっていないのです。
1年生から書く活動を続けていればいいのですが、
「書かない子」を4年生で担任(あるいは指導)することになると、
なかなか難しい部分もでてきます。

 春、授業びらきで春を見つける観察をします。そのとき「書く力」を調べます。
 「今日は、最初は書くことがおもしろくないなあと思う人が、
あとからはもう終わるんですか。もっと書きたい!!というような学習をしますよ。」
とふっておきます。

 「春だなあと、見つけたことを3つ書きましょう。」
本当は、30以上は書かせたいのです。
しかし、「30こ書きましょう」と最初から言うと、
「そんなの無理」と言ってあきらめてしまいます。
高学年になるほど、30書くことの困難さはわかりますからね。
最初はハードルを下げて。

 箇条書き、ナンバーリングなどを指導してスタート。
最初は、チューリップ、タンポポ、サクラなどの名詞が並びます。
(ほぼ全員)
「書かない子」も単語3こは書いてくれるでしょう。
(書いてくれない場合は違う支援が必要になります)
2人くらいは「モンシロチョウがとんでいる」と
主語と述語を書いています。

 全員が3つは書いた頃を見計らって、全体に向かって投げかけます。
先ほどの2人を取り上げます。
T「実は〇〇さんは、こんな風に書いていたよ」
T「あなたの書いたのと、どこが違う?」
C「くわしく書いている」「わかりやすい」
(主語と述語を書いているだけで、詳しいわけではないのですが)

T「サクラって書いている人がいるけど、夏にはサクラはどこかに引越しをするの?」
C「いいえ」
T「だったら、サクラではわからないねえ。サクラがどうしたの?」
C「サクラの花が、一週間前まで咲いていた」
C「まだ咲いている花もあった」
C「サクラはいっぱいあって、ソメイヨシノだよ」
T「だったら、ソメイヨシノの花が咲いていた、と書こうね」

T「色はどうでした?」
C「ピンク色」
T「においはどうですか?」
C「あまいにおい」

 そのうちに、たとえを出してくれる子どもがでてきます。
例えば、「花びらが赤ちゃんの手のように柔らかかった」のように。
いい例を教師が取り上げていくと、4年生くらいでは、
どんどんのってきます。
長さは?大きさは?動物だとどんな動き? こんなやりとりをしていると、
あっという間に10は超えます。

「もう10個書いた人がいるよ」4年生くらいなら、いい意味での競争心があります。
「私は12こいった」「まだ7こなので追いつこう」
競争心をうまくくすぐり、ほめていくと、全員10はクリアできます。
(クラスによりますが、20はクリアできるでしょう)

 
 まず、事実を書かせることで、書くことをいやがらないようにしていきましょう。
あとは継続です。
いきなりハードルをあげたり、意見文から書かせたりすると、書きたくないになってしまいます。
「たい」がうまれません。

主体的・対話的で深い学びを支えるために書く活動を継続しよう

 昔の勤務校で実践した論文が出てきました。あと研究部報も。
研究部報には、指導していただいたことが残っていました。
視写速度の学年規準が書かれていました。
 それによると、1分間で正確に、丁寧に視写する文字数は
1年生で15文字、学年が上がるたびに+5文字。
ということは6年生では40字。人によっては規準が+5字と書かれていました。

 先日、担当している6年生でやってみました。
1回目は、40文字クリアは1人でした。
2回目は、全員が伸びていました。40文字クリアも18人になりました。
(1回目より伸びた人としか尋ねていません。ノートでクリア人数は数えました)
2分間おこなっただけで、大きな伸びが見られますので、
毎日、少しずつでも継続していけば
ものすごい積み上げができるはずです。

 主体的・対話的で、深い学びを支えるためには、
書く活動も継続していかなければなりませんね。

笹原 信二(ささはら しんじ)

笹原 信二(ささはら しんじ)

熊本市立龍田小学校 教諭
京都生まれで熊本へ。高学年担任が多く、現在は理科専科。熊本地震を経験して、防災意識を高めることの必要性を再確認。教師生活はあと残り半年。学び続けたい気持ちは誰にも負けないつもり。

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