2017.09.08
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「わかる」と「できる」はちがう

世の中には「大事」なことがたくさんあります。「大事だ」と分かっていてもできないことばかりです。そこからがスタートです。

京都教育大学附属桃山小学校 教諭 若松 俊介

「予習が大事」
「早寝早起きが大事」
「あいさつが大事」

世の中、大事なことがいっぱいです。
上に書いた3つのことだって、
大人も子どももみんな「大事だ」ってわかっています。
これまで何度も何度も聞かされてますから。

でもできないんです。
「大事だ」と言われていることをやりきれる人は少ない。
「わかる」と「できる」は違うんですね。

大人向けの自己啓発本だって同じです。
例えば、
「睡眠を制する者は仕事を制する」
「片付け力は仕事力」
「朝活から1日が始まる」

どれも大事なことが書かれています。
でも本を読んで、ちょっとやる気になって終わり。
と言う人も多いのではないでしょうか。

大人も子どもも同じ。

これをきちんと理解しておくと、
子どもたちへの接し方が変わってきます。

「なんでやらないんだ?」
「大事だって分かってるでしょ?」

といった精神論では片付きません。
こんなものでできているのなら苦労しません。

それよりも、
「どうすればうまくいくだろう?」
「どうすれば続けられるだろう?」
と伴走者のように一緒に支え合うことで、
子どもたち自身が一人でできるようになっていくでしょう。
気づいたらぼくらが学ぶことばかり。

大人でも一緒。
伴走者が一人いるだけで勇気づけられる。
本当に「少しずつ」の積み重ねが、
気づいたら「当たり前」につながっていきます。

教師も子どもも人間。
ついつい怠けたくなる人間。
その全てを受け入れて、
子どもたちの成長に関わっていければいいですね。

人の成長に関わることは、
自分の成長にもつながっていきます。

「大事なことは子どもたちに全てさせなければ」
との思いで教師自身がしんどくなるのではなく、
ゆっくりと、ゆったりと進んでいきましょう。

若松 俊介(わかまつ しゅんすけ)

京都教育大学附属桃山小学校 教諭
「子どもが生きる」授業を目指して、日々子どもたちと共に学んでいます。子どもたちに教えてもらった大切なことを、読者の皆様と共有していければ幸いです。国語教師竹の会所属。

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