
研究発表会に向けて
今年度、1月にNIEを取り上げた国語科授業を学校の研究発表の中で公開します。そこでは、子どもたちが新聞を活用して生き生きと学習を行う様子をお見せできたらと考えています。また、新聞活用の効果についても市内の先生方を中心に公開することで、さらにNIEが広がるようにしていきたいと考えています。
そのために、1学期から様々な実践を行う中で、研究発表会の授業を意識した取組を行っています。取組を行う中で、児童理解を深め、本当に児童にとってためになる実践を行いたいと考えています。また、公開する授業自体も事前の実践によって練り上げられた質の高い授業にしていきたいと思います。そこで、今回は毎年行われる、教育委員会訪問の公開授業において、研究発表会の授業を意識した取組を行いました。
公開授業を活用する
今回の取組では、国語科の「新聞写真をしょうかいしよう」というオリジナル単元を公開しました。ここでは、児童が筋道を立てて自分の写真を紹介すること、そして聞き手の児童は話し手のスピーチの中心点を聞き取ることがねらいとなります。教科書教材では、「自分の宝物」を紹介する活動が例示されていますが、今回は日常的に取り組んでいるNIEとの関連を考えて、新聞を活用することにしました。
児童は、普段の新聞スクラップの活動で培った力を生かして、自分が紹介したい新聞記事(写真付きのもの)を選ぶことができました。やはり日常的に新聞に触れていることで、教科の学習で新聞を使う際もスムーズに活動を行うことができます。児童は、自分が選んだ記事を紹介するためのスピーチメモやスピーチ原稿を作り、何度も練習を行いました。そして、発表会の様子を公開授業として行うことができました。
公開授業では、1月の研究発表会を意識して、児童が自分たちで発表会を行うようにしました。お互いに自分の選んだ新聞写真を紹介し合い、そのスピーチについて評し合います。これまで、このような活動をした経験があまりないので少し戸惑っていたところもありましたが、全員が発表をすることができました。私自身も今回の実践を行いながら、1月の研究発表に向けてのイメージをもつことができました。
課題の発見
今回の実践で、1月の研究発表会授業に向けての課題が見えてきました。例えば、
・個別に支援を必要とする児童に、これまで以上に個人的な練習を行わせ、自信をもたせる必要がある。
・タイムマネジメントをしっかりと行い、児童が時間を意識して活動できるようにする必要がある。
・児童が評価をする際に、あまり書く内容を多くすると追いつかなくなるので、書く内容をできるだけ少なくしていく。
・どうしても、児童だけの活動になると少しふざけてしまう児童への意識付けを行う必要がある。
・児童の発表の形式を、個人の発表にするか、それともチームでの発表にするかを考えていく必要がある。(取り上げる単元ともかかわるが)
これらの課題を一つひとつ検証し、新たな実践につなげていきたいと思います。次は、新聞社の取材が入る公開授業を行います。次回はその様子をレポートします。

菊池 健一(きくち けんいち)
さいたま市立植竹小学校 教諭・NIE担当
所属校では新聞を活用した学習(NIE)を中心に研究を行う。放送大学大学院生文化科学研究科修士課程修了。日本新聞協会NIEアドバイザー、平成23年度文部科学大臣優秀教員、さいたま市優秀教員、第63回読売教育賞国語教育部門優秀賞。学びの場.com「震災を忘れない」等に寄稿。
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