2017.03.25
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「学級活動でも新聞活用」(整理整頓の工夫を考える)

さいたま市立植竹小学校 教諭・NIE担当 菊池 健一

整理整頓の取組

 担当する学級では、年度当初、児童が自分の持ち物をうまく整頓したり、机を整理したりすることに課題がありました。また、昇降口の下駄箱ではよく上履きが落ちていたり、傘が散乱していたりする状態も見受けられました。身の回りの整理整頓は、児童の心の問題にもかかわってくると感じ、整理整頓の指導を行ってきました。1学期から取り組んできた内容は以下の通りです。

1 モデルの提示

 児童が机の中やロッカー、下駄箱など、どのように整理整頓や片づけをしたらよいか視覚的にわかるようにモデルを提示しました。それにより、児童がイメージをもちやすくなりました。

2 表示の工夫

 児童が整理整頓する際に迷わないように表示を工夫する。机をそろえる位置に印をつけたり、物の置き場に名前を付けたりすることで、児童が間違えることなく物を整頓できるようになりました。

3 荷物の置き場分散

 児童の整理整頓がうまくいかない原因として、ものが集中しておかれていることが考えられました。そこで、物の置き場を分散して、児童に正しく物を置くことができるようにしました。

4 生活班の活用

 児童の中には、どうしても整理整頓が苦手な子がいます。そのような場合は、生活班を活用して、みんなで整頓をするようにさせました。できない部分は手伝ってあげたり、声を掛け合ったりしながら、みんなで活動をすることができました。

5 責任の明確化

 掃除用具倉庫や給食の片付けなどは、担当を決め、最後に必ずチェックをするようにしました。そうすることで、責任が明確になり、もしみだれていたら担当が整頓することでいつでも整うようになりました。

6 時間の確保

 以前は、児童に「整頓をしておくように」と指示しておくだけのことがありました。しかし、あまり効果がありませんでした。そこで、帰りの会の前の5分間などを活用して、整理整頓を行う時間を確保して、確実に児童が整理整頓を行えるようにしました。

 これらの活動により、年度末になるころには、いつでも教室をきれいに保つことができるようになりました。また、この活動を行うことにより、児童が物をなくすことがほとんどなくなったり、授業のスタートがスムーズになったりするだけでなく、児童の自己肯定感も向上しました。きっと、身の回りを整理整頓することにより、児童が「自分はやれる」という気持ちをもつことができたのではないかと感じています。

さらに視野を広げて

 クラスでの取り組みにより教室の整理整頓はだいぶ上手になり、いつもきれいになったのですが、4年生児童にはこれから高学年になるにあたり、もっと学年全体について考えるようになってもらいたいと思いました。そこで、児童に「学年フロアでもっと、きれいにできるところはどこか」と投げかけたところ、学年文庫がいつもみだれているということに気が付きました。そこで、学級活動の時間を活用して、学年文庫の整理整頓について考えました。

 児童はグループごとに学年文庫がみだれてしまう原因について考えました。原因については、

「もう誰も読んでいない本がたくさんあるので、本が多すぎるのも原因になっている」

「本の種類がバラバラで、返すところが分かりにくい」

「本がいつもぎゅうぎゅうに置いてあるので、返しにくい」

等が挙げられました。これらの原因を取り除くための方策について、さらにグループで考えました。

 新聞を活用して対策を考える

 学年文庫の整理整頓について考える際に、いつも親しんでいる新聞記事で、整理整頓について取り上げているものを参考にさせました。整理整頓をするためには、ものを少なくすることや種類を分けることが有効であることに気が付きました。児童たちは、グループごとに以下のような提案を行いました。

「もうほとんど読んでいない本は別の場所に移して、学年文庫にゆとりを持たせる」

「種類ごとに分別して、置く場所をはっきりさせる」

「種類を分けて、表示を行う」

「ブックエンドを置いて、本が倒れないようにする」

 この活動の後に、他のクラスにも提案して自分たちの学年文庫をきれいにする方法を試すことになりました。児童にとって、今回の活動が高学年への第一歩になったようです。これからもがんばってもらいたいと思っています。

菊池 健一(きくち けんいち)

さいたま市立植竹小学校 教諭・NIE担当
所属校では新聞を活用した学習(NIE)を中心に研究を行う。放送大学大学院生文化科学研究科修士課程修了。日本新聞協会NIEアドバイザー、平成23年度文部科学大臣優秀教員、さいたま市優秀教員、第63回読売教育賞国語教育部門優秀賞。学びの場.com「震災を忘れない」等に寄稿。

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