2017.01.16
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なんとなく

京都教育大学附属桃山小学校 教諭 若松 俊介

行動の理由を聞いた時、
ふり返りを書いている時、
「なんとなく」
という言葉が出てきたら皆さんはどう受け止めますか。

「『なんとなく』をもっと詳しく」
「『なんとなく』はダメです」

なんて言ってませんか。
もちろん、「なんとなく」を深く掘り下げることによって、
メタ認知力を高めて成長へとつなげていくことができます。
でもそれはこちら(教師・大人)の話。
子どもらにとっては本当に「なんとなく」って時もいっぱいあるはず。
全てに理由づけなんてしんどいですよね。

冬休みに子どもたちが書いてきた詩で、
私が深く学ばされたものを紹介します。

「なんとなく」

なんとなく あっち こっち
そんなことではダメだという
大人もいる
たしかに
理由のない意見にすぎない
でも世界はなんとなくでできている

今は理由のある意見でも
昔は何もついていなかった
赤ちゃんだった
その赤ちゃんがなければ
なにも始まらない
なにも終わらない
「なんとなく」は宝物だ 
国宝だ 
世界遺産だ

理由なんてものはつけたしだ
後からただついてきただけ
なんとなくがなきゃ
なにもない



子どもたちの試行錯誤を大切にしていこうと思っていますが、
やっぱり近道を求めている部分もあるのかなと感じさせられました。
より子どもたちにとっても自然な形で、
「なんとなく」を大切にしていきたいと思います。

子どもたちの素直な言葉には、いつも学ばされます。

若松 俊介(わかまつ しゅんすけ)

京都教育大学附属桃山小学校 教諭
「子どもが生きる」授業を目指して、日々子どもたちと共に学んでいます。子どもたちに教えてもらった大切なことを、読者の皆様と共有していければ幸いです。国語教師竹の会所属。

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