皆さん、お元気ですか?
学期末の仕事も追い込みに入っている方が多いかと思います。
インフルエンザなどの流行も始まっています。
もうひと踏ん張りです。
乗り切っていきましょう。
ところで、今回は「教師の視点」をテーマにします。
日々子どもと接していたり、本や論文などを読んだりする中で、教師が視野を広く持つことの大切さをとても感じています。
これまでも、似たテーマで下のような文章を書かせてもらいました。
興味がある方は下の文章を読んでみてください。
今回は、重ならない部分について書いていきたいと思います。
教師が短期的なスパンでの見方になりがちな訳
教師はどうしても短期的なスパンでの見方になりがちです。
この数年、学校の現場においても「数値目標の導入」が図られています。
外部への「説明責任」などによるものです。
また、「教員評価システムの導入」も関係があります。
教員の評価は、直接的に昇進、昇給と関連しています。
一年間で目に見える形での成果を挙げることが求められています。
教師に求められる長期的なスパンでのものの見方
こういった時代だからこそ、教師には長期的なスパンでのものの見方が求められています。
教育の目的は、目の前の今だけが良ければ良いのではありません。
学級担任が非常に厳しい指導をすれば、その時は一応きちんとするかもしれません。
しかし、穏やかな専科の授業では授業が成り立たないとか、次の年のクラスが崩壊してしまうなどでは、困ります。
もっと長いスパンでのものの見方が必要でしょう。
「その子どもが義務教育を終える中3の時はどんな姿になっているのだろう?」
「ちゃんと仕事をすることができるだろうか?」
「結婚してもらえるような人になっているだろうか?」
「穏やかな老後を過ごせるような人生を送ることが出来るだろうか?」
教師が求められる具体的なこと
そういったことを考えるために教師がすべき具体的なことを挙げます。
「懇談会で将来の事を話題にすること」「自分が担当した子どもと関わること」「教師が学び続けること」の3つです。
懇談会で将来の事を話題にすること
教師同様、保護者もどうしても短期的な視点になりがちです。
毎週の漢字テストの点数が気になりますし、家での行動でも同様です。
授業参観後の懇談会などで、敢えて「将来」を話題にしていくのです。
教師も懇談会での話題にしようとすると、色々と考え出します。
懇談会で話題にすると、保護者も色々と考えます。
保護者の視点からのコメントなども、教師にとっては参考になります。
保護者と教師が一緒に子どもの将来を考えていくということは非常に意味のあることだと思います。
自分が担当した子どもと関わること
私は教員になって22年が経ちます。
初任校で受け持った子ども(もう立派な大人ですが)は、30歳を過ぎています。
同級生で結婚をしたカップルもあり、結婚式などに参加もしました。
そういった機会などに、受け持った子ども達と再会します。
以前と変わっている人もいれば、変わっていない人もいます。
幸せな日々を送っている人もいますし、残念ながら警察の厄介になってしまったという人もいます。
そういった出会いが現在の教育実践のあり方について影響を与えてくれます。
経験年数の少ない教員の場合でも、受け持った子どものその後を見ることを強くお勧めします。
小学校の低学年で受け持ったが、高学年ではどうなっているのかを見ることや卒業生が通う中学校の授業参観を行うことなどです。
そうするとうまくいっていない子どもを見ることがあります。
そういった場合、「その時の担任の指導が悪い」と考えるのではなく、「自分が担当していた時に何をすべきだったのだろう?」と考えるのです。
こういった思考が、日々の教師の指導を深く、質の高いものへとつなげていきます。
教師が学び続けること
最後は、教師が様々な面で学び続けることです。
教育委員会主催の研修会や学校で行う研究会などもありますが、そういったものよりも自主的なものの方が望ましいと私は考えます。
私は子どもに対して「自らやっている勉強は、やらされている勉強の10倍の効果がある」と常々言っています。
教師も同様でしょう。
自ら本を読み、外部の研究会などに参加し、問題意識を持ち、それらを発信していく。
そういったことが教師の力量育成につながります。
終わりに
始めにも書きましたが、12月も残りわずかです。
残った仕事を片付け、良い年末、そして新年を迎えられるようにがんばりましょう。
皆さん、お体にご自愛ください。

鈴木 邦明(すずき くにあき)
帝京平成大学現代ライフ学部児童学科 講師
神奈川県、埼玉県において公立小学校の教員を22年間務め、2017年4月から小田原短大保育学科特任講師、2018年4月から現職。子どもの心と体の健康をテーマに研究を進めている。
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