2016.12.09
  • twitter
  • facebook
  • はてなブックマーク
  • 印刷

伝えたいことをどう伝えるか

子どもたちに思いをどう届けるか。いつも悩みます。

京都教育大学附属桃山小学校 教諭 若松 俊介

毎日、子どもたちを目の前にしていると、
伝えたいこと、伝えるべきことが出てくると思います。
子どもたちの現状、課題によってその内容は変わります。
ただ、それらをどうやって伝えるのか。
私は、いつも悩んでいます。
皆さんも同じようなことで悩みませんか?

例えば、
「友達に優しくしよう」
「勇気を持って行動しよう」
「相手の気持ちを考えて行動しよう」

なんて直接言っても伝わらない。
もちろん熱く語ることによって伝わるのかもしれないけど。
でもどこか受け身で終わってしまいます。
「大事だ」と思わされるのか、
「大事だ」と気づいて行動に移そうとするのか。

私は、前任校で生活指導主任を任せていただきました。
その学校では毎週全校朝礼があり、
生活指導主任として話をさせていただく機会がありました。

毎週、何を伝えるのかを考えるのはもちろん、
1〜6年に伝わるようにどう話すかを考えるのが大変でした。
難しい話だと1年生は伝わらないし、
簡単な話だと6年生は飽きてしまいます。
今でも話がうまいわけではありませんが、
ここでの経験が私を成長させてくれたと思っています。

例えば、「アンパンマンのマーチ」を話題にしたことがあります。
1年生から6年生まで知っている歌です。
私が歌い出すと、興味を持って聞いてくれます。
ただ、歌自体は知っているけど、歌詞について考えたことがない子が多い様です。
・・・・・・・
「何のために生まれて 何をして生きるのか
 答えられないなんて そんなのは嫌だ!」
「何が君の幸せ 何をして喜ぶ
 解らないまま終わる そんなのは嫌だ!」
(以上「アンパンマンのマーチ」より《作詞:やなせたかし》)
・・・・・・

有名な歌詞ですよね。
ここでついつい教師は多くのことを話したがりますが、

「みんなは答えられる?」
「みんなは解る?」

って聞くだけで、子どもたちは自分と対話し始めます。
私が感じてほしいことを全ての子が感じられるかどうかは分かりませんが、
そんなことはそもそも無理な話であり、
子どもたち一人一人が自分と対話できる場をどうつくるのかが大切です。

「そんなの答えられなくてもいいやん」
「そんなの解らなくたっていいやん」

って子がいても構わないとも思います。
あくまでも、私は対話する場をつくるだけ。
その繰り返しの中で、子どもたちは「自分」をつくっていきます。

ついつい自分の思いを押し付けてしまう自分を抑えながら、
これからもどう考える場をつくっていくのかを考えていきたいです。
伝えたいことは、地道に伝えていこうと思います。

若松 俊介(わかまつ しゅんすけ)

京都教育大学附属桃山小学校 教諭
「子どもが生きる」授業を目指して、日々子どもたちと共に学んでいます。子どもたちに教えてもらった大切なことを、読者の皆様と共有していければ幸いです。国語教師竹の会所属。

同じテーマの執筆者

ご意見・ご要望、お待ちしています!

この記事に対する皆様のご意見、ご要望をお寄せください。今後の記事制作の参考にさせていただきます。(なお個別・個人的なご質問・ご相談等に関してはお受けいたしかねます。)

pagetop