2016.12.17
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「食育に新聞を活用する」2

さいたま市立植竹小学校 教諭・NIE担当 菊池 健一

新聞を活用して食育を

 先月は勤務する学校で「給食月間」の取り組みがありました。地元のホテルのシェフを招いて、給食を作っていただいたり、地元の食材を使った郷土料理がメニューで出たりと様々な企画がありました。担当するクラスでは、給食の残菜が大変多いのが課題でしたので、クラス独自でも食育に取り組みました。

これまでの経験で、子どもたちに残菜の量の多さについて話をする取り組みや、世界で栄養不足の子どもの数を調べる取り組みなどを行いましたが、あまり効果がありませんでした。それは、きっと子どもたちにとってそれらがあまり身近に感じられないためではないかと考えました。そこで、今回は小学生新聞が野菜について特集した記事を活用して、子どもたちに毎日の給食で使われている野菜を紹介する取り組みを行いました。朝の会で「今日の野菜」を紹介し、その栄養や産地のランキングなどを一緒に確認しました。子どもたちは、

「今日の野菜はきゅうりか!」

「ねぎにはいろんな栄養が入っているんだね」

など、感想を述べあいながら、給食を楽しみに待つようになりました。

教科の学習とも関連させて

給食に出される野菜を紹介する活動と並行して、各教科の学習ともできるだけ関連を図るようにしました。まずは、国語です。国語ではクラスで辞書を積極的に活用しています。分からない言葉があると、子どもたちは授業中でも辞書を引いて意味を確認するようになっています。そこで、給食で出される野菜を辞書で引いてみる活動も導入しました。

「先生、ねぎは『葱』と書くんだよ!」

「キャベツは英語だね」

など、辞書を引いて気が付いたことを進んで発表する様子が見られました。

 また、社会科との関連も図りました。4年生の社会科では地図帳を活用し始めます。そこで、紹介した野菜を多く作っている県を地図で見つけて、地図の中に野菜のマークがあることを確かめさせました。子どもたちは夢中で地図からマークを探していました。そして、スーパーからもらってきたチラシも活用して、自分たちが普段食べている野菜がどこから運ばれてきているかを調べる活動も行いました。この活動により、子どもたちは買い物に行く際には、野菜などの産地を確認するようになってきました。

食育の効果

 1か月間、毎日の給食で出される野菜を紹介し、教科でもできるだけ食育を行うことで、子どもたちの食に関する興味が大変高まりました。給食の時間には毎日ほとんど残菜が出なくなりました。これまで野菜が嫌いで残していた児童も、野菜の味を確かめながら味わって食べるようになりました。(まだ苦手なようですが・・・)給食を作ってくださる調理員さんも大変喜んでくれました。これからも食育に取り組んでいきたいと思います。3学期には社会科で埼玉県の農業の学習をするので、埼玉県産の食材を給食から見つける活動などを取り入れたいと考えています。

菊池 健一(きくち けんいち)

さいたま市立植竹小学校 教諭・NIE担当
所属校では新聞を活用した学習(NIE)を中心に研究を行う。放送大学大学院生文化科学研究科修士課程修了。日本新聞協会NIEアドバイザー、平成23年度文部科学大臣優秀教員、さいたま市優秀教員、第63回読売教育賞国語教育部門優秀賞。学びの場.com「震災を忘れない」等に寄稿。

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