2023.05.11
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土づくりから一緒にやる野菜づくり

生活科において、植物を育てる活動があります。
今年度は4月からJAの方に協力してもらい土づくりから行いました。

沖縄県宮古島市立東小学校 教諭 五條 晶

野菜づくりに関して学習指導要領には・・・

生活科の内容には動物を飼ったり、植物を育てたりする活動があります。
このことに関して『小学校学習指導要領(平成29年告示)解説』には「動物を飼ったり植物を育てたりする活動を通して、それらの育つ場所、変化や成長の様子に関心をもって働きかけることができ、それらは生命をもっていることや成長していることに気付くとともに、生き物への親しみをもち、大切にしようとする。」とあります。

つまり、動植物と触れ合い時を一緒に過ごすことで、どのように成長していくのか、どのような環境で育っていくのか、興味関心をもって大切にしていく心を育てることが大切と思われます。

何事も、まずは計画から・・・

草ぼうぼうの畑の雑草抜き

まずは4月に一年間の計画を立てました。
教科書や指導書をもとにすると、野菜作りは大きく分けて2回あります。
1回目は、夏野菜を育てること。
2回目は、秋冬野菜を育てること。
どちらも自分で育てたい野菜を自己選択し、育てます。
といっても僕たち教員は野菜づくりに関しては本当に”畑違い”です。そこで、農業協同組合、通称”JAおきなわ”の方に協力してもらうことにしました。

まずは、年間の計画の相談をしました。
ここだけでも、いろいろな発見がありました。
当初は1回目の野菜作りは1年生がアサガオを育てる鉢に入れて自分の野菜を育てる予定でしたが、JAの方に「そんな浅い鉢では、土が少なすぎて野菜が喜ばない」と言われてしまいました。
僕は「野菜が喜ばない」というワードにけっこう衝撃を受けました。もう擬人化がすごいですよね。それだけ、野菜への愛がある方なんだなあと、この時にすごく尊敬と信頼が持てました。

また、1回目はみんなで同じ野菜を作って、野菜に対しての知識や経験のベースを作った方が、2回目の秋冬野菜作りに繋げやすいとのことでした。
これも僕の中ではけっこう衝撃で、生活科では自己選択や自己の願いを尊重するので、野菜から選ばせて試行錯誤させていくのが一般的だと思われますが、初めての野菜作りに対してまずは知識と経験のベースをみんなで整えていくことは大事なのかもしれないと思いました。これは、今年度初の取り組みなので、1年かかけて何が良かったのかしっかり考察したいなあと思います。

そんなこんなで、1年間の計画が決まりました。
そして4月は草ぼうぼうの畑の雑草を抜くところから写真のようにスタートしました。

土づくりはきつい?!

肥料を撒く

まずは、雑草抜きから始めましたが、上の写真と次の写真を比べて分かるよう、すっかりきれいな畑となりました。土を耕してきれいにした後はいよいよ土づくりです。
JAの方に肥料の準備をお願いしたら、3種類の肥料を準備してくれました。僕の知識では肥料は牛糞の1つと思っていましたが違うようで、牛糞は肥料を土が吸収しやすいようサポートしてくれる役だそうです。

3クラスあるので、クラスごとに肥料を撒きました。
そんな中、僕のクラスは牛糞。
茶色い土が、黒い牛糞で見えなくなるよう土に撒いていきました。
子どもからは「すごいにおいする!」という声が出ていましたが、「これも野菜の栄養になるからしょうがない」と言う子もいて、頼もしかったです。
暑い中で、腰をかがめて優しく肥料を撒くのがきつかったとありましたが、それもまた農業体験として、よい経験になったと思います。
これから種を植えて、4月の間に畑に植え付けまで行います。育てる野菜は「バターナッツ」というかぼちゃのような野菜です。どうやら梅雨の時期に強い野菜だそうです。

沖縄では特に雨量がすごく、5月には早くも梅雨に入ります。こうした地域に合った野菜を育てることができるのも専門のJAさんと協力したおかげだと思います。
これから育つ野菜を子どもと一緒に楽しみにしてます。

五條 晶(ごじょう あきら)

沖縄県宮古島市立東小学校 教諭


授業を通した「みんなで分かる!」「みんなが楽しい!」集団づくりを目指し、試行錯誤しています。

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