給食指導のあれこれ
2学期は長い学期でした。しんどいこともありましたが、その中でも色々な行事があり、そこに楽しみも見出せました。さて、学期に関係なく学校生活で楽しみの1つは何といっても給食ではないでしょうか(人にもよりますが)。
しかし、きちんと指導をしないと、学級が荒れるということになりかねません。
今回は、担任の頃も振り返り、色々なクラスを回らせていただいたことも踏まえて、給食指導のあれこれをお話できればと思います。
尼崎市立小園小学校 教諭 中村 隆文
給食は時間とのたたかい
どの学校もだいたい45〜50分を確保していると思います。その時間で「着替える」「整列する」「移動する」「配膳する」「食べる」「返却する」の6つのことをしないといけません。
特に時間をかけたいのは「配膳」と「食べる」時間。それ以外は素早くできるようにしてほしいものです。
給食指導のポイント
昨今、各種感染症予防やアレルギー対応などがあり、7年前まで担任をしていた頃といろいろなことが変わってきました。しかし、「ルールやマナーを守る」「残さず食べる」ことはいつの時代も変わりありません。そのことについて少し触れたいと思います。
①「ルールを守る」
これができないと、学級が荒れます。また、アレルギー対応がある場合、命に関わります。
給食に限らず、当番の仕事をしない、基本的なルールを守らない児童はいます。きちんとしている子にとっては、例えば「仕事しないのにおかわりできるなんて…」などストレスにもつながります。その場合は、教師側できちんと見極め、指導しなければいけません。繰り返しルールを守らない場合、私は「おかわり優先権なし」の方針を徹底しています。
おかわりのルールは、基本はおかわりをしたい人全員に配膳します。平等に配膳するために、場合によっては、人数に制限をかけます。ただ気を付けたいのは、おかわり配膳中にやっぱりほしいとなると、配膳量が乱れるので、その場合は希望を聞く段階できっぱりとしめきりを言わないといけません。
②「マナーを守る」
机の上に筆箱が出ていたり、その他食事に必要のないものは必ずしまわせます。また、「いただきます」と手を合わせるときは、音を鳴らさないこともマナーとしては必要です。鳴らしたら全体でやり直しです。学級開きの始めは、なかなか上手くいきませんが、根気です。
③「残さず食べる」から「残食0を目指す」へ
与えられたものを残さず食べることは大切ですが、「ごちそうさま」のときにどうしても残食が出てくることがあります。そこで、クラスで協力して「残食0を目指させる」ことで「残すことはよくない」という空気感をつくると残食も減るのではと考えます。
ただ配膳して、残っている分をおかわりさせているだけでは、残食0にはなりません。目指すということは協力して1つのことを達成することです。達成感を味わわせることで自信にもつながります。ただ勝負ごとになってはいけないので、注意は必要です。
例えば、ご飯が残ったとき、一口サイズにいくつか小分けして、「先着〇名様」と言葉がけすると、量も少ないし、おかわりのハードルが下がるので、いつの間にかなくなります。また、おかずも残った場合、余った食器にあらかじめ入れておいて、これも「先着〇名様」とすると、入れるという行為がなくなるので、これもまたおかわりのハードルが下がるので、残食が減ります。
また、栄養の話をすると、残食が減ることもあります。例えば、大豆系のおかずが残った時に「筋肉がつくよ」とお話するとおかわりに殺到することもありました。
おわりに
給食指導は教員の力の見せ所です。上手に配膳したり、ルールを徹底すると、だれもが気持ちいい給食になると思います。
3学期は短い学期ですが、どのクラスも楽しく給食を食べられたらいいなと思います。
中村 隆文(なかむら たかふみ)
尼崎市立小園小学校 教諭
教員として走り続けている一教員です。
失速しないよう、適度に調整しながらがんばっています。
数年前までは学級担任をしてきましたが、現在は音楽専科をしつつ、ICT推進主任をしています。
「最小限の労力で、最大限の効果を」をモットーに仕事に励んでいます。
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