2017.02.14
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5分間でOK!国語・漢字辞典を使った「楽習」ゲーム

学期末を控え,学級もいい感じに育っていることでしょう。
この時期に来ると,あまり担任が話をしなくても,
学習のめあてやポイントなどを伝えておくと,
子どもたちが進んで取り組んでいるのではないでしょうか。
時折,私の想像を超えてあっという間に課題終了!
えっ,と驚くと共に,子どもたちに教えていた「楽習」ゲームに
よく取り組んでいました。

兵庫県神戸市立桜の宮小学校 特別支援教育士スーパーバイザー(S.E.N.S-SV) 関田 聖和

言葉を探せ!

5分間だけ使って……。
ここがポイントです。
長い時間だと子どもたちが飽きてしまうからです。
また,ここでは隙間の時間的な状態を想定して,
記事を進めますので,短時間の内容となります。

さて国語や漢字辞典を使った
「楽習」ゲームは,いかがでしょう。

単純に,

提示した言葉を探すだけ

です。

低学年であれば,
・意味を覚える
・その言葉の漢字を覚える
ことにこだわらず!

ただ,言葉を探すだけ!

えっ,これだけで。
やった人は分かります。
読むな!覚えるな!と言っても,
意味を読んでますから(笑)

例えば……(出題例)

地域のお祭りがあったときには,
「だし」
を探させました。
「出汁」を見つけつつも,「山車」にたどり着き,
子どもたちは,
「こんな簡単な漢字で書くの。」
「山が,だ で,車が,し なの。」
など言葉に興味津々になりました。

他にも,
2文字でできている言葉
「え」から始まる文字数が多い生きもの

などと,辞書をずうっと読んでいくパターンもおもしろいです。

「季節にも色がついているんだけど,
 春には,どんな色がついているでしょう。」
と,漢字辞典を使わせたこともあります。(例:青春)

へぇ,そうなんだ!

探し終わった後,「へぇ,そうなんだ。」と感慨にふけったり,
これを家に帰っておうちの人にクイズで出してごらんと促したり……。

もちろん自由勉強,いわゆる自学にまとめてくる子どもも出てきます。
子どもたちって,知的好奇心をくすぐられると,
どんどん取り組みます。

もしこれを一年間取り組むと,
一日1つで,約200個。
工夫次第で語彙が豊富になります。

そのためには,日頃の教師の学習への姿勢が大切なようです。

担任の何気ない仕草が感化する

子どもたちの学習への構えは,担任教師で決まる!
と言っても過言ではありません。

担任が変わり,
「子どもたちが勉強しなくなった。」
と,話す保護者と出会ったことがあります。

聞く所によるとその先生は,丁寧な授業準備ができず,
とりあえず,うまく流れればいいと思っていたようです。
教科書も読み込まず,淡々と教えようとしていたそうです。

当然こういう姿勢は,なんとなく子どもたちに伝わり,
次第に子どもたちの学習の構えは崩れ,
不必要な立ち歩き,
指示が通らず,
授業も進まず,
悪循環となったとのこと……。

まずは,教師が楽しい!
と思うことが,「楽習」成立の必須条件!
おもしろくないと思ったら,取り組まないでくださいね(笑)

関田 聖和(せきだ きよかず)

兵庫県神戸市立桜の宮小学校 特別支援教育士スーパーバイザー(S.E.N.S-SV)
主な単著:『楽しく学んで国語力アップ!「楽習」授業ネタ&ツール』(明治図書)、『新学期から取り組もう!専手必笑 気になる子への60の手立て』(喜楽研)、『専手必笑!インクルーシブ教育の基礎・基本と学級づくり・授業づくり』(黎明書房)、国語・算数が苦手な子どもへの個別支援プリントシリーズ(全10冊:清風堂)
その他、特別支援教育すきまスキル(明治図書)等共著多数。

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