2016.10.29
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「パラリンピックを新聞で」

さいたま市立植竹小学校 教諭・NIE担当 菊池 健一

 新聞は社会と児童をつなぐ大切なツールであると考えています。現在は国語など、教科においても新聞の活用が重要視されていますが、児童が日常的に新聞を活用する機会を意図的に作ることがこれからさらに重要になるのではないかと感じています。今回、児童とパラリンピックのことを知るために新聞を活用した例を紹介します。

 今年のリオパラリンピックには、さいたま市教育委員でもある平沢奈古先生が出場されました。平沢先生はアテネパラリンピックで銅メダルを獲得されています。今回のパラリンピックでは残念ながらメダル獲得はなりませんでしたが、北京、ロンドンと代表になれなかった悔しさをばねに、今回のパラリンピック代表になり堂々と試合をされた姿に感動しました。
 
 平沢先生は、さいたま市内の学校に教育委員訪問として講演をされています。昨年度、本校にも講演に来てくださいました。講演を聞いた3年生の児童は、平沢先生がどんな活躍をしたか知りませんでした。そこで、アテネオリンピック当時の新聞記事を児童とスクラップする活動を行い、平沢先生の活躍について知ることができました。

「生まれつき体が不自由だったので、子どものころは体育が嫌いだったんだ」

「24歳からアーチェリーを始めて、パラリンピックの代表になるなんてすごい」

など、児童は感想を話し合っていました。

 
 平沢先生の講演会では、子どものころの経験や普段の生活についての話から、アーチェリーとの出会いなどをお話ししていただきました。また、アテネパラリンピックでは金メダルを狙っていたのに銅メダルに終わり大変悔しかったことなどもお聞きしました。児童は、新聞記事を読んで、銅メダルを獲得した平沢先生はとてもうれしかったのではと考えていたので、とても意外に感じたようでした。パラリンピックで同じ障害を持つアスリートの方たちが助け合って競技をしていることなどもお話しいただき、仲間を大切にすることの必要性についても教えていただきました。

 パラリンピックが始まり、児童は平沢先生の金メダル獲得を期待して応援を始めました。埼玉新聞には、県内の代表選手として平沢先生の紹介記事がありましたので、児童と記事を読みました。遠く離れた日本で応援をしていたのですが、残念ながらメダル獲得はなりませんでした。児童は、平沢先生の試合の様子を取り上げた記事を読み、先生が本当に精いっぱい試合に取り組まれたことを知りました。そして、「アテネからの12年間は無駄ではなかった」という先生の試合後の言葉を読んで、何事もあきらめずに頑張ることの大切さを感じていたようです。

 児童は普段からNIEを通して新聞に親しんでいます。平沢先生の話題はあまりテレビでは取り上げられませんでしたので、先生の情報を新聞から得ることができました。新聞は社会と児童の生活をつなぐ大切なツールだと思っております。これからも新聞を通して、社会のことを学んでいきたいと思います。




菊池 健一(きくち けんいち)

さいたま市立植竹小学校 教諭・NIE担当
所属校では新聞を活用した学習(NIE)を中心に研究を行う。放送大学大学院生文化科学研究科修士課程修了。日本新聞協会NIEアドバイザー、平成23年度文部科学大臣優秀教員、さいたま市優秀教員、第63回読売教育賞国語教育部門優秀賞。学びの場.com「震災を忘れない」等に寄稿。

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