2016.09.28
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「個」に始まり「個」に終わる(国語)

どの教科、どの場面でも「個」に始まり「個」に終わる

京都教育大学附属桃山小学校 教諭 若松 俊介

前回、「個」に始まり「個」に終わるというテーマで書かせてもらいました。
跳び箱だけでなく、どの教科でも同じ話です。
もちろん国語でも。
子どもたち一人ひとりの読む力は違います。
例えば、同じ物語を読んでいても注目するところが違います。
細かい文章表現にこだわれる子もいれば、そんなの気にもならない子もいます。
だからこそ、いきなり学級全体で同じテーマで考えるのではなく、
まずは、一人ひとりの読みが表れる場面をつくっていきます。
ノートでもワークシートでも書き込みでもいいでしょう。
書きながら読み、読みながら書くことで自分の考えが整理されていきます。
「(自分は)こう読んだ」というものがしっかりとあると、
他の人の「こう読んだ」から学ぶことがたくさんあります。
交流前に、自分なりのめあてもできます。
「主体的、対話的に・・」と言われますが、
形式的に話す場面をたくさん作れば良いのではありません。
交流することによって自分の読みを見つめ直し、考えを再構成していけるように
しなくてはいけません。
主体的っぽく、対話的っぽくで終わらせるのではなく、
何度も文章と出会い直す場をつくります。
物語を読む学習をしていると、子どもが、
「何度も読んでも何も感じなかった文章に、友達と交流すると分かることが増え
る」
と言ってきます。
交流後にふり返りの場面をきちんととることによって、
読みの成長や読みが深まることの楽しさを自分で実感します。
これらは、また一人で読む時に活かされると同時に、
仲間と「読み」を交流することの必要性を子どもたち自身が実感していきます。
だからこそ、主体的、対話的に学んでいこうとします。
「個」の場面をきちんとつくることによって、
学習はどんどん子どもたちのものになっていきます。
「読むことが楽しい」
と学習を通して子どもたちが実感し、
一人ひとりの日常の場面に活かされていけばいいなと思います。

若松 俊介(わかまつ しゅんすけ)

京都教育大学附属桃山小学校 教諭
「子どもが生きる」授業を目指して、日々子どもたちと共に学んでいます。子どもたちに教えてもらった大切なことを、読者の皆様と共有していければ幸いです。国語教師竹の会所属。

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