【オープン25周年記念特別企画】学びの場.com 25年の歩み(前編) ”学びの場.comの四半世紀を振り返る”

2001年末にオープンした学びの場.comは、2026年12月に25周年を迎えます。読者の皆様、取材にご協力いただいた学校関係者・有識者の皆様、ご自身の経験や知見を惜しみなくご提供いただいた教育現場の先生方、これまで当サイトを支えていただいたすべての皆様に、あらためまして深く御礼申し上げます。
今回は、25周年特別企画として、学びの場.comの25年間を振り返り、教育界の変化に伴い、さまざまな企画に挑戦し、新しいコンテンツを生み出してきた当サイトの歩みをご紹介いたします。
読者の皆さま、それぞれがご自身の思い出を振り返りつつ、「これからの教育」との向き合い方、寄り添い方を考えるきっかけとなれば幸いです。(学びの場.com編集部)
1.学びの場.comの生まれた背景を振り返る
わが国では、1980年代から、職業高校を中心にコンピュータ教室の設置が進められてきました。商業系高校では「商業実践」、工業系高校では「CAD製図」の授業に利用されてきた歴史があります。1980年代後半になると、小中学校のパソコン教室整備が、徐々に進められるようになり、1990年代にはいると、この流れが全国に広がります。ただ、当初は、パソコンをどのように授業に生かせばよいのかに悩まれる学校も散見されました。有志の先生方の間で、パソコンを有効利用するための研究会や情報交換会なども立ち上がり、電話回線を利用した民間のパソコン通信サービスが普及すると、メーリングリストによる地域を越えたコミュニティが活性化して行きました。
そして、1990年代半ばに国(旧通産省系)の事業として行われた100校プロジェクトが、学校へのインターネット敷設の起爆剤となります。学びの場.comを運営する私たち内田洋行も、急速に拡大する学校インターネット整備事業をお手伝いさせていただきました。また、1996年に教育ICTをテーマとして開催された大規模セミナー・展示イベント「New Education Expo」の運営にも参加させていただいたことで、多くの先生方とつながる機会をいただいたのもこの頃です。
2000年代にはいると、パソコンはコンピュータ教室を出て、小中学校で普段の授業が行われている普通教室で活用されることになります。職員室やコンピュータ教室など、学校内の一部でしか使えなかったインターネットも、すべての教室で使えるようになります。同時に、これまで、校内で詳しい先生を中心に行われていたコンピュータ利用も、すべての先生が授業や校務でコンピュータに接することが必然となってきました。
2.学びの場.comの誕生
すでに、「New Education Expo」などによって、教育現場の先生方に、教育ICTの先進的な実践例や便利な学習環境や教材・ツールの情報をお届けするお手伝いをしていた当社ですが、開催地域は大都市に限られていました。全国をカバーするためにWEBサイトを立ち上げようという社内プロジェクトが生まれたのが2001年初め頃です。
教育関連の情報サイトが徐々に増える中、私たちは対象読者の設定を、先生だけでなく保護者にも広げようと企画しました。そうすることで、インターネットによって大きく変わろうとする学校の様子を保護者の方にお伝えするとともに、先生方同士による情報交換では、なかなか得ることのできない保護者側の生の声を教育の現場にもお届けすることが、教育ICTの普及や有効活用につながると考えていました。
こうして、2001年12月、学びの場.comは、「教員・保護者を含む教育に関心のある方向けの教育ポータルサイト」として公開されました。
学びの場.comは、誰でも無料で閲覧できるWEBサイトとしてスタートしましたが、定期配信されるメールサービスや、読者同士が自由に交流できる電子掲示板の利用には会員登録が必要でした。
そのため、開設当初は会員の獲得にも力を注ぎました。検索エンジンへの表示対策はもちろん、リーフレットの配布、プレゼント企画の実施に加え、独自の紙媒体「学びの場.com PRESS」の発行やマスメディア(新聞広告、出版社・テレビ・ラジオとの共同企画など)連携も積極的に進めました。その結果、開設4年目には、口コミ効果も手伝って会員数は最大時で5万名*を越えました。豊富な会員をベースにして、企業等から調査やコンサルティングを請け負う『学びの場リサーチセンター』を立ち上げたのもこの頃です。(*掲示板サービスの停止を機に、会員制を廃止し、現在はメールマガジンのみの運用に変更しています。)
3.学びの場.comのサービスメニューの変遷
開設から今日まで、二度のサイトリニューアル、SNSページ開設など、通信技術やインターネット環境の変化、教育現場を巻き込む社会的な諸問題等に合わせ、学びの場も進化を続けてきました。
コンテンツメニューは多岐に渡り、「教育インタビュー」や「授業実践リポート」、「教育イベントリポート」、「教育ウォッチ」といった教育活動の根幹に係わるものだけでなく、「学校の危機管理」、「震災を忘れない」といった安全・安心に係わるもの、「アグネスの教育アドバイス」など子育てや家庭教育に関するもの、「映画と教育」や「科学夜話」など、読者の日々の生活にちょっとした潤いを与える読み物などの連載を始めました。
なかでも、2007年に始まった「教育つれづれ日誌」は、学びの場.comの「顔」として現在も読者の皆様に広く愛され続けているコンテンツです。半年ごとに公募を行い、教育現場で奮闘されている先生方から寄せられる「生の声」を現在も日替わりでお届けしています。これまでに130名以上の方々が執筆されていらっしゃいます。こうした先生方のご協力に支えられながら学びの場.comは続いてきました。
《授業と学校運営に役立つ現場発信のコンテンツ群》
教育インタビュー
教育実践リポート
教育イベントリポート
教育ウォッチ
食育と授業
算数の教え上手
《教育にまつわるエッセイ/読みもの》
アグネスの教育アドバイス
震災を忘れない
学校の危機管理
映画と教育
科学夜話
4.学びの場.comで生まれた特徴的なコンテンツ
(1)様々なアンケート
学びの場.comが開設当初から力を入れていた企画の一つに読者アンケートがあります。保護者の要望や、先生の本音をお聞きしてテーマごとに統計情報としてまとめ、読者の皆様に、「教育の今」をお届けしました。 当時の記事は、今もサイト内にアーカイブされています。「昔はこうだったのか」という驚きや、「いまも変わらないな」という教育現場の状況が見て取れる貴重な資料です。その一部をご紹介します。ご興味のある方はぜひ各記事をご覧ください。
◆先生に聞きました
2004年に、小・中・高校の先生方を対象に、当時のキャリア教育の実態をお聞きしたアンケートです。当時は実施に当たっての明確なガイドラインの不足や企業との連携に戸惑う先生方が多くいらっしゃいました。
学習指導要領の改訂をはじめとする様々な教育施策の変化や、インターネットなどの新しいツールの登場に伴い、現場の先生方は対応に追われます。当コーナーでは会員の皆様にご協力いただき、様々なテーマでアンケートを実施させていただきました。現在の内田洋行教育総合研究所の運営にもおいても、エビデンスに基づく調査研究というポリシーが生かされています。
◆保護者に聞きました
2003年に保護者に、学校に求めることをお聞きしたアンケートです。
こちらのグラフは、主に”教育内容で力を入れてほしいこと”をお聞きした結果です。少子化と習い事全盛の現在では、ほとんどが学校外のサービスとして提供されていることが分かります。また、当記事内では選択式質問だけでなく、回答者のフリーコメントも紹介しています。こちらも先生方にとっては興味深い資料となっています。お時間のあるときに覗いてみてください。
保護者ニーズ調査
親たちは学校に何を求めている!?(第1回)
親たちは学校に何を求めている!?(第2回)
親たちは学校に何を求めている!?(第3回)
親たちは学校に何を求めている!?(第4回)
親たちは学校に何を求めている!?(第5回)
◆読者100名に聞きました(現「教育リサーチ」内)
保護者会員を対象に様々なWEBアンケートを行いました。当時の子育ての悩みや工夫について、統計情報ではなく、テキストの自由記入よる100人の生の声がPDFで閲覧できます。質問項目は多岐に及びます。こどもが携帯電話を持ち始めた時代ですが、まだSNSはありません。当時の保護者の皆さんが、子育てや学校教育にどんな思いを寄せておられたのか?とても興味深い資料です。
本項では、そのなかのいくつかをご案内します。
オススメ記事
「子どもの安全、どう守る?~留守番中の注意」
子どもだけで留守番させるとき、言い聞かせていることはありますか?
【調査名】子どもの安全、どう守る?~留守番中の注意(2006_s_007)
【調査日】2006年3月15日
【調査方法】WEBによるアンケート(質問に対する自由記入)
【質問項目】小学生のお子さんをお持ちの方、やむを得ず、子どもだけで留守番させるときはありますか? 誰かが来たとき、電話がかかってきたときの対応はどうさせていますか? カギの管理(扱い方)や、火の始末など言い聞かせていることはありますか? 自宅で緊急なことが起こった場合の連絡先、避難先などの約束事は決めていますか? そのほか、子どもの留守番中の工夫を教えてください。
WEBアンケート 読者100名に聞きました!
学校と家庭の「食育」の取り組みについて
子どもとゲーム
小学生の学習塾どう選ぶ?
(2)世相を反映する記事
◆今どきの小学生
小学生の間ではやっている遊びは? ファッションは? 人気のテレビ番組は?……などなど、親世代とはあまりにも違う、小学生の今どきカルチャーをリポート!(2004.3~2005.12連載)
こちらも当時の小学生の様子をみずみずしくレポートしています。現在は立派な社会人やお父さん、お母さんになっていることでしょう。子どもの心を見失いそうになったら、一度覗いてみてください。
オススメ記事
「今どき小学生のおこづかい事情」
「今どき小学生の将来の夢」
◆世界の教育事情
海外日本人学校の先生をはじめ、海外在住のみなさんが、各国の教育事情や、生活、文化、歴史などを紹介します。国際理解の教材としてもどうぞ。
オススメ記事
「アメリカ・ロサンゼルス~公立校のバイリンガル教育」
「ドイツの高等教育事情~卒業資格試験に始まる大学進学」
「フィンランド~自然教室で情操教育」
(3)学校と子どものセキュリティ:天災や事件・事故から身を守るために
◆震災を忘れない
東日本大震災をはじめとする被災地の日々の様子や復興への想いを、教育関係者がつづるエッセイです。
学びの場.comが生まれてから25年のあいだに、我が国は様々な自然災害に見舞われ、多くの命が失われてきました。この先も続くであろう自然災害から、”どうやって命を守るか”は、子供たちの集まる学校においても大きなテーマです。
放っておけば記憶は風化します。悲しい出来事は忘れてしまいたくなるでしょう。それでも、過去の事例から学び続けることが命を守ることにつながると信じて、防災教育に熱心に取り組まれる先生や市民ボランティアがたくさんいらっしゃいます。「震災を忘れない」では、そんな方々の想いや取り組みをご紹介しています。
オススメ記事
【東日本大震災を取り上げた授業】さいたま市立海老沼小学校 教諭 菊池健一さん(リポート1)
「子どもたちの心に刻み込まれた『3.11』」登米市立登米小学校 教諭 皆川 寛
◆学校の危機管理
災害だけでなく、事故・犯罪対策(不審者対応・ネット犯罪防止)も学校に求められる機能の一つです。犯対策を中心に、学校の危機管理の基礎から事例・ノウハウまで、危機管理コンサルタントが解説します。(2003.1~2009.3年連載)
(4)役立つ情報やツール、気楽に学べる記事も発信
◆学校と授業で使えるツール
学びの場.comの開設当初。授業アイデア、指導案、教材・プリント、イラスト集は、特に先生がたの人気を集めました。
また、「算数の教え上手」の旧シリーズ(2001.11~2005.12)では、植木算や旅人算などの教え方が多くの保護者の方々にも読まれていたようです。
「研究会・イベント情報」は、教育関連のセミナーや展示会、学校で開催される研究授業などの開催情報をカレンダー表示しています。
それぞれのサイト内のフォームから読者の投稿を受け付けており、今も活用されています。
◆ほっと一息、お楽しみコーナー
学びの場.comは、教育や学びに興味を持たれる皆様に向けたWEBサイトです。おひとりの時間に、お仕事の合間に、一息つける読み物もご用意しました。
「映画と教育」は、教育的な視点を交えながら、最新のオススメ映画を紹介する鑑賞の手引きです。子供と一緒に観たくなる、そんな記事づくりを目指しています。
「科学夜話」は、理科や科学に関するちょっとした豆知識のシリーズです。授業で使えそうな小ネタがいっぱいです。
そのほかにも、新刊紹介や読者プレゼントコーナーを設け、読者の皆様に楽しんでいただけるよう努めています。長年の読者の方も、初めての方も、学びの場.comへお越しの際は、ぜひ、ふだんは見ないメニューも覗いてみてください。掘り出し物が見つかるかもしれませんよ。
【続きは後編(4月末公開予定)で】
ここまで、学びの場.comの成り立ちと開設当初のなつかしいコンテンツをご紹介してまいりました。後編では、近年の新しい試みや、人気のコンテンツをご紹介します。また、当サイトに関して、読者の皆様にお答えいただいたアンケート結果や、応援コメントなどもご紹介します。
学びの場.com事務局
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ご意見・ご要望、お待ちしています!
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