2026.04.20
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食べもののなぜを探る わたしたちのたんきゅうーグミから見つけた砂糖の秘密ー(3) 【食と科学】[小学校低学年]

食育は家庭科や総合的な学習の時間だけが受け持つものではありません。理科、社会科などどの教科でもアイデア次第で楽しく展開できます。教材開発のノウハウや子どもたちの興味・関心を高めながら、望ましい食生活習慣を育てていく授業作りのヒントを、武庫川女子大学・藤本勇二先生主宰、食で授業をつくる会「食育実践研究会」がご紹介します。第228回目の単元は「食べもののなぜを探る わたしたちのたんきゅう(3)」です。
わたしたちのたんきゅうシリーズ、最終回はグミです。(株)新興出版社啓林館が運営する「たんきゅう塾NEO」で、武庫川女子大学藤本ゼミの学生がメンターとなり、1年生と一緒に取り組みました。

授業情報

テーマ:食と科学

教科:探究

学年:小学校低学年

たんきゅう塾NEOの取り組み

探究活動の中で、「ぶどうのエレベーター」をテーマに取り組みました。炭酸水の中に入れたぶどうが浮いたり沈んだりする現象をきっかけに、1年生と一緒に疑問を大切にしながら活動を進めていくと、グミの不思議な性質への探究へと発展していきました。
こうした科学で遊ぶことを通して、食べ物の不思議さへの気づきや食べ物への関心を高められることを実感しました。その内容を紹介します。

グミの原理

グミ独特の食感の秘密は、ゼラチンにあります。
ゼラチンが冷えると固まる性質によるものです。
砂糖や水あめに溶かしたゼラチンは、熱を加えるとコラーゲン分子がばらばらになります。
それが冷えると網目状に絡み合って、水分を閉じ込めることで弾力のある食感が生まれます。

炭酸水にぶどうを入れると浮き沈みする不思議

  

 

炭酸水でブドウが浮き沈みをする現象を見て、ほかの身近なものでは何が浮くのか浮かないのかを考え、試してみました。

ドライフルーツ、はじめの実験より大きくしたぶどう、チョコレート、粒状のグミなど、自分の興味あるものをたくさん試しました。

 

 

浮かないものを浮かせるための試行錯誤

浮かせたい!という気持ちから、炭酸水の温度を調整したり、量を増やしたり、浮かせるものの大きさを変えるなど、たくさんの工夫をしながら試しました。

砂糖の秘密を発見

グミは、大きさを変えると浮かぶことが分かり、その秘密を見つけることに挑戦しました。
試行錯誤を重ねる中で、砂糖に秘密があるのかなという考えにたどりつきました。

実験の準備

用意するもの

材料:砂糖、水あめ、ゼラチン、水、レモン果汁(食用クエン酸)、100%ジュース(好きなジュース)、サラダ油またはグラニュー糖(グミ同士がくっつくのを防ぐ)

用具:ボウル、ティースプーン、なべ、木ベラまたは耐熱性ゴムベラ、シリコンの型(小さめのものを選んでください。大きすぎると、のどにつまらせる危険があります。)

秘密を確かめたくてグミ作りに挑戦した1年生

 

 

不思議な秘密のあるグミを自分で作りたいという気持ちから、グミ作りに挑戦しました。

手順は、明治の食育「グニグニ食感のグミの作り」を参照しました。

実際に作る中で、冷やす時間によって食感が変わること、お風呂くらいのぬるま湯を使うとゼラチンがとけやすくなることなど、子どもたちが自分で気づいたことがいくつもありました。

1 年生が発表会で話したこと

・じっけんのどうぐをつかえるようになりました。おゆのおんどをはかるときに、おんどけいをつかいました。

・ぶどうにつくあわとオレンジにつくあわの大きさがちがいました。ものの表面がでこぼこだとあわがつきやすいことをしりました

・おおきなグミのままではうかなかったけど、ちいさく、さとうだけにするとうきました。さとうにひみつがあることをみつけました

授業の展開例
〇グミのまわりの粉はグミ同士がくっつくのを防いだり、独特な舌触りを加えたりする役割があります。でんぷんや粉砂糖、クエン酸などが使われています。どんな性質があるか調べてみましょう。

メンター

佐川未菜美、團野和香、小松未來

藤本勇二(ふじもと ゆうじ)

武庫川女子大学教育学部 教授。小学校教諭として地域の人に学ぶ食育を実践。文部科学省「食に関する指導の手引き」作成委員、「今後の学校における食育の在り方に関する有識者会議」委員。「食と農の応援団」団員。環境カウンセラー(環境省)。2010年4月より武庫川女子大学文学部教育学科専任講師。主な著書は『学びを深める 食育ハンドブック』(学研)、『ワークショップでつくる-食の授業アイデア集-』(全国学校給食協会)など。問題解決とワークショップをもとにした食育の実践研究に取り組む「食育実践研究会」代表。'12年4月より本コーナーにて実践事例を研究会のメンバーが順次提案する。

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