2003.11.11
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保護者ニーズ調査 親たちは学校に何を求めている!?(第4回)

保護者たちが学校や教師に、本当に望んでいるのは何なのか、未就学児童~小学生の子どもを持つ母親200人にその胸のうちを聞いてみた。

◆◆◆ 前回までのリポートはこちら ◆◆◆


 【 設問事項 】
Q1. あなたの理想とする小学校はどのようなものですか。 …第1回(10月22日)公開済
Q2. あなたの理想とする教師像はどのようなものですか。 …第1回(10月22日)公開済
Q3. あなたの理想とする校長(学校の責任者)像はどのようなものですか。
   …第2回(10月29日)公開済
Q4. 学校の放課後や土曜日に、授業以外のサービスを求めるとしたら、
   それはどのようなものですか。
…第2回(10月29日)公開済
Q5. 私立校へ行かせたいと思いますか。…第3回(11月5日)公開済
     Q5-1. 私立校に行かせたい理由は何ですか。
     Q5-2. 私立校に行かせたくない理由は何ですか。
Q6. 子どもたちの安全のために、学校にはどこまで対応して欲しいですか。
  …第3回(11月5日)公開済
Q7. 学校の環境をよくするために何か協力するとしたら、どのくらい参加できますか。
Q8. 設備、教員、教育方針など学校に関することで、
   「これはひどい」と思ったできごとをお書きください。
Q9. その他、学校や教師に求めることをお書きください。

 
アンケート結果サマリ (全文はPDFをご覧ください)

Q7. 学校の環境をよくするために何か協力するとしたら、どのくらい参加できますか。
 
 
合計
1
2
3
4
5
6
7
全体
200
38
37
78
28
10
6
3
100%
19%
19%
239%
14%
5%
3%
2%

 PTA役員のなり手がない、子どもを学校に任せっぱなしで学校に関心がない保護者が増えた、と言われて久しいが、実際のところはどうなのか聞いてみた。その結果、「1ヶ月に1回程度」と答えた人が最も多く39%(78名)、次いで、「週1回程度」 19%(38名)、「2~3週間に1回程度」 19%(37名)と続いた。つまり、76%の親は、1ヶ月に1回以上は参加できることになる。

 自由記入では、
「学校だけではカバーしきれないことは、親が手伝っていかなければと思う。」
できることなら協力は惜しまないつもりです。」 他13名
「家庭への責任転嫁は困るけど、自分に無理がない程度に、できるだけの協力はしたいと思います。協力をお願いされるというより自分の子どものことだから逆に協力させてもらいたいと思います。」
「下校時のパトロールなど…是非参加したいですね!仕事をしている人が多いので大変だと思いますが 子どもの安全等を考えるとそのくらいは当たり前だと思います。」
など、心強い回答が寄せられている。

しかし、働く母親が7割を占めるという昨今、
「協力できることはできるだけしたいと思うが、強制されてしまうと困る。」
「子どものためなので参加するが、あまりしょっちゅうあると困る。」
仕事に響かなければ協力する。」
というのが本音だろう。

 PTA活動に関する意見も多く見られた。「負担の大きい役員ではなく」「自分の趣味や能力を生かしたお手伝いならやりたい」という保護者は多い。また、手伝いたくても、下に小さい子どもがいる場合は大きな負担となっているようだ。PTA役員を誰がやるかはどこの学校でも大きな問題となっており、メンバーも固定化しがちのようだ。しかし、日頃から学校に関わることで、交流が深まり、子ども同士のトラブルや保護者・教師間のトラブルのほとんどは事前に回避できる、というメリットもある。今後、PTAを存続するのなら、働いている人でも、父親でもなるべく多くの保護者が参加できる方法を模索しなければならないだろう。



Q8 設備、教員、教育方針など、学校に関することで、
  「これはひどい」と思ったできごとをお書き下さい。


 最近、一部ではあるが、公立校でも、「生徒・保護者はお客様」という意識を持つよう教員の指導を行っているところがあると聞く。教育はサービス業、子どもたちはお客様、という考え方をするならば、子どもに対する話し方や保護者との接し方も変わってくるはずである。
さて、ここでは、消費者たる保護者たち、学校への不平不満を聞いたが、老朽化した施設、人間的に問題ありの教師、問題点が噴出。特殊な例もあるかもしれないが、ほとんどが、どこの学校でも見られる問題点だと考えられる。ぜひ、学校関係者は、思い当たる節があれば、何らかの対策を検討して欲しいものである。

(以下抜粋)

●施設設備
「トイレが暗く、汚い。」
「トイレの鍵が閉まらない。」
「公立学校のトイレが、未だに和式です。入学当初子どもは、使用方法がよくわからず困っていました。現在の生活環境で、和式ばかりのトイレは、問題があるのではないでしょうか。」
「学校が汚い。」
「設備の老朽化。廊下は風が吹く、雪が降る、積もる、戸が開かないではずれる、トイレが臭い。」
「老朽化していて、大地震の際に、倒壊しないかとても心配です。早急に建て替えを希望します。」

● 教師・学校について
《 教師の質は低下している? 》
教員の質の差があること。定期的に抜き打ち検査みたいなものや子どもたちへの無記名アンケートなどをやってほしい。」
「クラスによって進度が違ったり居残りがあったり学年で統一してほしいです。教員によっては人の心を読めない人もいるようなので教員のチェックも定期的にあると良いなと思います。」

《 指導力不足? 》
「高学年を担任した先生が、クラスをまとめることも出来ず、いじめ問題などにも対処できず、3ヶ月間学校をお休みし、言った言葉が『私は、低学年しか見ることが出来ない!』だったそうです。はっきり言って、こういう先生には、担任を持ってもらいたくないですね。何かあった時が怖い。」
「新任の先生(2~3ヶ月頃)に質問したところ、来たばっかりなので…と言われ、なに一つまともな回答は得られなかった。」
「低学年のクラスで、じっとしていられないお子さんがいて、先生一人では対処しきれず、保護者が有志で参観したり、対応したりということがありました。そこまでやらなければいけないのかな…と疑問に思います。」
子どもを叱れない教師が多く、クラスによっては崩壊状態になっている。保護者がアシスタントとしてサポートしなくてはならない授業があるのに、日時や募集の連絡を教師がきちんと行わない。」
 

《 危機管理意識が低すぎる 》
「隣の学区域で(危険人物が徘徊しているという情報を基に)集団下校している時に、こちらの学校では何の情報も保護者に伝えられなかった。もちろん集団下校もなかった。問題のある子を、本人や先生に文句の言えないおとなしい子のそばに置きたがる。」
「学校周辺で不審者が出没して、一時期、父母の間ではかなり問題になったことがあるのですが、関係者が学校に通知していたにも関わらず、学校側からの注意喚起のお知らせ一つなかったこと。単なる痴漢騒ぎどころか、子ども達の身体の安全に関わるかなり際どい出来事(刃物を持った不審者の出没や誘拐未遂事件など)もあったので、学校の対応としては何の危機管理もしていないといわざるを得ないと思いました。」
「学校の門のところでのチェックがないので、誰でも入れる状況がある。」

《 事件や事故の対応に問題あり…? 》
「いじめにあっている子の親が、先生に相談しても何の対策もとってくれない。いたずらで物を隠したりということがちょくちょく起こる。先生はいじめではない!と最初から言う。よくも調べもしないで…。もっと、子どもの目線で考えていってほしい。」
「昨年担任の教師の事で問題が起こり、保護者と先生の間で色々とありました。学校側の努力は認めますが、教師は未だ学校にいます。その教師が担任を持つたびに、また、問題は起こると思います。」
「子どもが休み時間に頭に大怪我をしたのに親が来るまで病院へ先生の都合で連れて行ってもらえなかった。新学期直後だったがいつでも起こり得ることなのですぐさま救急車を呼んでもらうべきだと訴えた。子どもが他の子にケガをさせられたときに、先生から何も連絡がなかったのはひどいと思った。」
 



 

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保護者ニーズ調査(Q7~Q8)の全回答は・・・
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