子どもとの関係がうまくいかないときに立ち返りたい5つのこと
時期を問わず、学級が荒れていたり、子どもたちとうまくいっていないときには、ある共通点があります。それは「教師の在り方」が子どもたちとズレているということです。また、一見順調に進んでいても、「魔の6月、11月、2月」といわれる時期は、子どもたちが落ち着かなくなりがちです。
私自身がうまくいかなかった時期(3年目)を乗り越えて、見えてきた5つのポイントがあります。一つ一つ見直してみることで、改善のヒントになれば幸いです。
埼玉県公立小学校 石井 雄大
対話できていますか
日常の子どもたちとのコミュニケーションはどうですか。
例えば休み時間、子どもたちとどのくらい会話できていますか。
周りに子どもたちは寄ってきますか。
授業中はどうですか。
子どもたちとともに作り上げていく姿勢がありますか。
できていない子、手のかかる子ばかりの対応になっていませんか。
今、学級が荒れていないからよいのでしょうか。
教師と子どもたちの間に遠い距離感を感じるのであれば、本当の意味での信頼関係は構築できていないはずです。子どもたちとのくだらない会話は、信頼関係の第一歩です。体を正面に向けて聞いてあげましょう。
声を聴けていますか
子どもたちがどんな思いで学校生活を送っているか、姿や言動、行動から聴こうとしていますか。
自分の理想形に近づけようとしすぎていませんか。
また、毎日のやるべきことで頭がいっぱいになって、必死になりすぎていませんか。
授業では、素直な子どもたちのつぶやきや反応を拾っていますか。
発達段階は関係ありません。それぞれの段階で、子どもたちは、「○○したい」「○○だと思う」など、さまざまな思いがあります。聴いて、思いを常に共有していくことが大切です。
型の押し付け(○○すべき)が先行していませんか
子どもたちを見るとき、自分の視野が狭くなっていませんか。
学校にあるルール、指導の型…このような「○○すべき」はたくさんあります。徹底することはもちろん大事ですが、まずは目の前の子どもたちをどう見ていくかが大切です。
当たり前のように聞こえますが、心の余裕がなくなると、つい「○○すべき」の視点が先行しがちです。ふと気が付くと、気になる子ばかりの対応になっていたり、学級全体を叱ってばかり…なんていう悪循環に陥りがちになります。
また、授業に関しても、「○○型」「○○スタンダード」のような指導の型、また、長年の経験値に頼った授業展開・構成には注意が必要です。あくまでこのような指導観は、「教師側」の視点での授業構成です。うまく使いこなさないと、子どもたちと教師の間に、「呼吸のズレ」を引き起こします。「こうしなければいけない」という思いから、それを達成するためだけに授業をするのではありません。毎回出てくる予測不可能な子どもたちの純粋な思いを大切にして授業をしたいものです。
やさしさと厳しさのバランスはどうですか
どちらかに偏っていませんか。
うまく「圧」を使いこなせていますか。
教師として、バランスを保つことが大切です。やさしいだけでも駄目、厳しいだけでも駄目です。叱るのであれば、その分ほめなければいけません。理想は「やさしさ:厳しさ=10:10」です。メリハリがついてくれば、どちらかを大げさにやる必要はなくなり、次第に子どもたちは安定していくはずです。
授業は面白く、ワクワクしたものになっていますか
教師がやりたいことが先行しすぎていませんか。
自分自身が授業をする上で楽しさや面白さを見いだしていないのであれば、子どもたちは「つまらない」と感じているはずです。
子どもたちが思わず熱中できる、楽しくなる展開になっていますか。
子どもたちの問いから始まっていますか。
淡々と教科書やドリルを進めているだけでは、子どもたちの目の輝きは生まれません。「○○したい!」があふれる教室をつくっていきましょう。

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