2021.09.28
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教育実習の指導をプラスの視点で考える~実習指導教員を担当することで得られる学び(2)

この記事がアップされる頃には、教育実習が終わりを迎えている時期かもしれません。実習指導を担当された先生方、お疲れさまでした。
教育実習生の指導は、決して楽な仕事ではありませんが、「教師教育」という視点から見つめ直すと、実習生にとっては実践的で有意義な経験を積む実習の場となり、指導教員にとっては改めて自らの教育実践を見直す場となると考えます。今回はその視点を獲得するまでの私の「過程」についてご紹介できればと思います。

北海道公立小学校 教諭 深見 智一

最初は、張り切っていたのに…

教育実習の指導は、日常の業務に加えて行われるものですので、指導する教員は、いつも以上に多忙になります。それで、指導教員だけに負担がかからないように、師範授業を他の教員が行ったり、教務主任等と複数体制で指導を行ったりするなどの負担軽減策も講じられている学校が増えていると聞きます。
ただ、教育実習のメインが授業実習である以上、配属された学級の担任、つまり指導教員に負担がかかるのも事実です。 学習進度の遅れや定着度の不十分さなどはある程度、実習後にリカバリーしようとしますが、学習進度や学級経営へ与える影響を気にする教員も少なくありません。
また、実習生の研究授業といえども、校内の先生方に公開する以上、「ある程度の形」になるように指導しなくてはならないというプレッシャーもあるかもしれません。このような課題があると、指導教員の選定の難しさ(とくに、希望者がいない)を抱える学校も多いようです(『教育実習生及び初任者・若手教員の指導を担当する教員に関する 現状と課題』中田正弘 ほか 2014)。

私自身のことを振り返ってみると、実習生を初めて担当した時は、「よし、やるぞ!」と張り切ってやっていました。しかし、慣れが生じてくると、全ての先生が実習生を受け入れているわけではないので、「大変だなあ」「なんで自分だけ大変な思いをして指導しているんだろう」「なんか、いつもより帰るのが遅くなって疲れるな」とついつい思ってしまうことがありました。  

「負担感」を上回る何かがないかという模索が「省察」につながっていく…

教職大学院派遣研修時に、「省察」という言葉を知り、様々な講義や研究論文で何度も耳にしていました。教職大学院自体が現職教員にとっては省察の場ですが、現場に戻ってからは、日常の業務に忙殺され、少しずつ記憶が薄れていってしまいました。
その後、教育実習の指導教員を担当することになった時に、ふと教職大学院時代の学びが思い出され、教育実習生を指導すること自体を自らの「省察」の場にできるのではないか、と何となく考えるようになりました。実習指導期間中は、必ず1日のふりかえりを実習生と行います。実習生と対話することで、「そういう考えもあるけど、自分はこう思うな…」「自分はこう教えられたけど、そういう見方もあるな…」と考えることがよくありました。
また、実習期間中は、実習生が児童を指導する場面を観察することで、普段は自分が指導している学級や児童の様子を「三人称的な視点」で見ることができます。それをきっかけに、自らの学習指導や学級経営ってこれでいいんだろうか?と実は振り返っていたんだ、ということに気づいたのです。

2度の失敗を経て…

そこで、1年目は、私自身の教育実習指導を毎日振り返り、記録化することにしました。ただ、実習指導に関して、必ずしも十分な知識や経験を有していなかったので、うまくいかなかったことや、反省したことを次の日の指導にうまくフィードバックできなかったことなどを記録するのが辛く、かえって疲れてしまいました…。

2年目は、コルトハーヘン氏のALACT(アラクト)モデルを参考にして、実習生と共に振り返りを行うことに挑戦しました。有意義ではあったのですが、時間がかかることで、教材研究や実習日誌の記録の時間が十分確保できないこともあり、こちらも大変…ということになってしまいました。

なんとなく「指導教員である私も何かを学んでいるのではないか?」というきっかけから始まった省察ですが、試行錯誤を繰り返し、翌年にある程度の方向性が定まることになりました。長くなっておりますが、次回、その「方法」をご紹介できればと思います。

深見 智一(ふかみ ともかず)

北海道公立小学校 教諭


書籍等で取り上げられることがあまり多くない1学年につき1学級の単学級の学級経営、複式学級の学級経営について、これまでの実践や量的調査の結果をもとに、効果的な実践例を発信していきたいと考えています。

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