2019.10.04
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柔軟的かつ挑戦的に!

幼児体育の驚きの研究結果から

旭川市立大学短期大学部 准教授 赤堀 達也

今回は幼児体育の驚きの研究結果から、子どもたちのための教育について疑問を持ち続け、挑戦し続けていくことの大切さについて、自身の決意表明を込めて述べていきます。

まず初めに、24期・25期に引き続き、26期も執筆させていただけることになりました。皆様ありがとうございます。今期もしっかりと執筆していきますので、是非ご一読いただけたら幸いです。

<本題>

大学では後期がスタートし始めました。セメスター制を採用している学校も同様に後期が開始しているころだと思われます。このタイミングでもう一度、教育に対する自身の在り方を見直したいと考えています。今回はその決意表明をしたいと思います。
 
幼児体育の研究で次のようなものがあります。東京学芸大学の杉原隆名誉教授が9000人の子どもを対象に行った体力テストの結果ですので、かなり信ぴょう性が高いものです。

幼児体育指導を受けている子どもたちと、幼児体育指導を全く受けず運動遊びをしている子どもたちと体力テストの結果を比較したところ、後者の幼児体育指導を受けずに運動遊びをしている子どもたちの体力が高かったとのデータが示されました。つまり大人が「子どもたちに必要だ」と思って行っていたことがそうではなかったということです。私自身も衝撃を受けましたし、とても考えさせられました。

2010年の研究発表ですので、この約10年間いろいろと幼児体育の研究がなされ変わってきています。現在は「できるようにする幼児体育」ではなく「できなくてもいい幼児体育」へと変わってきています。「できなくてもいい」とはやる気がないという意味ではなく「できるようにするために同じことを何回も繰り返し行うのではなく、様々な運動体験をさせていく」ということです。きっとこれからも変わっていくのだと思いますし、むしろ変わっていかないといけないです。

法令面では、三法令改正(保育所保育指針、幼稚園教育要領、幼保連携型認定こども園教育・保育要領)により、昨年から施行されています。上の学校でも新学習指導要領が順次施行されていく教育の過渡期となります。また時代が変わり、昔との家庭環境や社会の変化に伴い、子どもとの接し方も変えていかなくてはなりません。

そんな中、乳幼児期は集団生活のスタート・人生のスタートであり、子どもの今後の学校生活や人生の基盤となります。教育の最初と最後に関わる立場の者として、皆さんの教育現場につながっていくように、常にアンテナを広げ、柔軟的でかつ挑戦的に取り組んでいきたい、取り組んでいかねばと考えています。

その取り組みのひとつとして、実はスポーツスタッキングに着目し取り組んでいます。埼玉県坂戸市で行われた、とあるフェスティバルのブースで紹介した際に、3時間以上も夢中になって取り組んでいた子どもがいました。お昼を食べてからもまた戻ってきて取り組んでいたほどです。そのことから、しっかり研究していけば「3つの柱」につながるのではないかと考えています。そのこともあり、つい先日に学会で共同発表させていただきました。一緒に発表した研究者は「学級経営」にいかせるとも考えているようです。もしお時間がございましたら、私達の学会発表と私の過去の記事を載せておきますので、ご一読ください。

後期は「柔軟的にかつ挑戦的に!」取り組んでいきます。まずはスポーツスタッキングの研究を進めたいと思います。今後ともどうぞよろしくお願いします。

赤堀 達也(あかほり たつや)

旭川市立大学短期大学部 准教授・北海道教育大学旭川校女子バスケットボールヘッドコーチ
これまで幼児・小学生・中学生・高校生・大学生と全年代の体育・スポーツ・部活動指導してきた経験から、子どもの神経に着目したスポーツパフォーマンス向上を図る研究を行う。

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