2023.04.28

新年度・新入生

4月になり、入学式が終わり、新入生が入ってきました。幼稚園でも大学でもどの種別でもその緊張しながらも志を持った様子を見ていると、私たち教員としても心引き締まる思いとなります。

旭川市立大学短期大学部　准教授　赤堀達也

はじめに

私の娘も実は満3歳で幼稚園に入園させていただきました。楽しんで通っている姿を見ると親である私たちも幸せな思いを共有できます。

その様な中で、全く逆の顔をしている学生もいます。この少子化で大学全入時代であり、また成年年齢に達した成人たちではありますが、その様な学生は少なからずいます。そのような学生がこれから短大においては2年間、大学においては4年間、希望を見出せずに過ごそうとしている様子を見ると、本人たちにとっても、親御さんにとっても不憫で成りません。

何とか予防することはできないのでしょうか。

これまでの早期退学事例

これまで私が受け持った学生・生徒に入学後すぐに辞めてしまった人が何人かいます。これは現在の勤務校に限らず、これまでの勤務校でもあった案件です。理由としては「入学後、卒業生や先生たちの話を聞いてみて、やっていけないと思った」「授業を受けてみたら全くついていけなかった」などです。このような理由だととても残念に思ってしまいます。それは何故かというと、大抵の大学・短大・専門学校ではこのようなミスマッチを防ぐために、高大連携講座やオープンキャンパスでの体験授業を設けているからです。こちらは高等教育の学びを提供するだけでなく、その学校のレベルを体験できるということでもあります。そのため進路を決める前にぜひ体験してほしいと思っています。

少子化で大学全入時代であるため、少人数でも出張講義をする学校がほとんどです。もし1人でもいるようでしたら、遠慮せずに学校へ依頼した方がいいでしょう。このことは私の学校だからというわけではなく、全国のほとんどの学校が思っていることでしょう。そのためこの場を借り、代表してお伝えさせていただきます。高校の先生方、ぜひご気軽にご依頼ください。

切ない事例も…

また早く辞めてしまう理由に次のようなものもありました。「(高校在学中に)何か違うと思っていたけど、言い出せなかった」というものです。学生たちの話を聞いてみると、とても親身になってくれる先生が多いようです。そのためなおさら言い出せなかったのでしょう。先生も生徒も悪いわけではなく、お互いがお互いを思いやれる良い関係だったからこそのすれ違いのようです。私どもといたしましても、送っていただいた先生のためにも、そして何より本人のためにも、何とかしたいとは思うのですが、どうにもならないケースが多いです。こちらも本当に残念でなりません。1人の教員が進路指導を担当する場合が多いようです。(ほとんどの学校がそうかもしれませんが…)もしかしたら複数教員で担当する方がいいかもしれません。

最後に

難しいことは多いですが、私たちは預けていただいた以上、全力でサポートしていく気持ちでいます。先ほども記述しましたが、このような思いを持っている学校の方が多いです。学校側は意外と高校側から連絡をしてもらえないか、歩み寄ってきてくれないかと思っていることが多いです。そんな思いを抱えているため、良い意味で利用していただけたらと思います。

年々、退学を選ぶ学生が増えています。大学と高校の教員での協力のもと、その様な選択をする学生を減らしていく術を探していけたらと思っています。