2019.09.17
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実習生(3)

実習日誌・指導案の書き方と実習生・養成校の取り組み

旭川市立大学短期大学部 准教授 赤堀 達也

今回は教育実習・保育実習の実習日誌・指導案の書き方と実習生・養成校の取り組みについて述べていきたいと思います。「これだけ努力しているんだ!」という主張ではなく、「試行錯誤してより良いものを探している最中です」という思いをお伝えできたらと考えています。

お忙しいところ、いつも実習生をあずかっていただきありがとうございます。実習生をあずかっていただくうえで、先生方の実習日誌・指導案の負担はかなり大きいなものではないかと感じています。しかしそのような中でも、内容をチェックしていただいたり、コメントを記入していただいたりとご対応くださりありがとうございます。実習生の学びを深めるために、また実習の価値を高めるためにも、引き続きご協力いただけたら幸いです。

学生には実習に行く前に、実習先の先生方の苦労についても話しており、少しでも現場の先生の負担を軽減できるよう、日誌や指導案についても当然指導しております。

ただ養成校によっては人数が多いために目が届かない学生がいるのも確かで、そのような学生に限って学ぶ姿勢に問題があったりするため、いろいろ試行錯誤しながら底上げできるように日々取り組んでいます。しかし、それを忠実に守るのは、しっかりと取り組もうとしている学生たちがほとんどになるため、なかなか底上げは進まない現状です。

「あれに注意して」「これに気を付けて」「昔こんな失敗がありました」「ここの内容が薄いからもっと詳しく書くように」など様々な指導をしますが、やる気のある学生はがんばって聞き入れ、いい日誌や指導案を書くようがんばっています。

ただ、そのように指導してはいますが、実習先によって書き方が大きく異なっている現状があります。例えば保育実習では、文末を「指導した」「教えた」などは使いません。「援助した」「促した」などを使うようにします。しかし「指導した」「教えた」と直していただけるところもあるようです。また「~してあげた」「~してもらった」も同様で、違う言い方になるように文を調整しながら書かせるようにしていますが、「その方がいい」と直していただけるところもあります。ほんの一例をあげましたが、実に多くの書き方が存在するようです。これらは実習先の理念と大きく関係しているようで、理念と照らし合わせてみると「なるほど」と思い勉強になります。もちろん、実習先のやり方に従うように指導していますが、どうしてもそれまでの習慣が出てしまうようで、間違いが多発するため、下書きしてから書くように指導しています。(多分、多数がそうです)

そのため、実習生たちは2~5時間くらいかけてその日の日誌を仕上げており(3~4時間かかる学生が多いようです)、それが終わってから次の日の目標を考えたり、準備をしたり、責任実習・部分実習に向けた準備をしたりしており、寝るのが日をまたいでしまう学生がほとんどです。中には日誌や準備が終わらずに徹夜で次の朝を迎えてしまう学生もいます。(指導案などは実習に行く前に準備はしていますが、当然実習先に入ってからわかることがほとんどなので、実習に入ってから大幅に修正しているようです)

実習生が体調を崩してしまうことが増えているように思いますが、このようなこともひとつ影響しているようです。そのため、実習先で日誌にあまり細かく言わないよう配慮していただいているところもあるようです。また、あえて責任実習を早い時期(第1週目くらい)に設定してそのストレスをなくすことで純粋に子どもとの関わりを勉強してほしいというところもありました。

これは実習生たちを楽させてほしいということではなく、実習生たちも上手くできないながらも努力しており、養成校としてより工夫し続けていく必要があると思ってのことです。

実習生にとって実りが多く、現場の先生にとっては負担が少ない実習を今後も考えていきたいと思っています。現場の声を教えていただけたら、実習指導にいかしたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

赤堀 達也(あかほり たつや)

旭川市立大学短期大学部 准教授・北海道教育大学旭川校女子バスケットボールヘッドコーチ
これまで幼児・小学生・中学生・高校生・大学生と全年代の体育・スポーツ・部活動指導してきた経験から、子どもの神経に着目したスポーツパフォーマンス向上を図る研究を行う。

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