2019.05.09
  • twitter
  • facebook
  • はてなブックマーク
  • 印刷

遊びを科学する(2)

新学期に知っておきたい遊びの発達

旭川大学短期大学部 准教授 赤堀 達也

新学期が始まり、1か月が経過しようとしています。子どもたちやクラスの様子はいかがですか?新しく入ってきた子たちは馴染めそうですか?さしあたって、クラスで浮いてしまいそうな子がいる場合、心配は尽きませんが、もしかしたら遊びの中に解決方法があるかもしれません。
発達心理学者のパーテンは、幼児の発達に伴い、複数の子どもで遊ぶ時の状況を以下のように遊びを分類しています。

1. 何もしない行動
2. 一人遊び
3. 傍観的行動(見ているだけで、遊びに加わらない)
4. 平行遊び(同じおもちゃで遊んでいるが、別々に遊んでいる)
5. 連合遊び(一緒には遊んでいるが、お互い自分のやりたいように遊んでいる)
6. 協同あるいは組織的遊び

6へ行くほど社会性が高い遊びへとなっていきます。
園において、5から6への発展を促すような仕掛けが必要ではないかと感じています。以前、運動遊びにおいて非認知的能力を向上させる実践例を紹介しました。


※「部活動問題から提唱する幼児期・児童期の保育・教育について(3)~非認知的能力を向上させるコーディネーション理論の実践例~」を参照

このように協同して行うものを運動だけでなく、音楽や制作そして美術等で行っていくのです。私がこれまで見てきた限り、個々の活動として行わせていることがほとんどです。しかしそのやり方は、昔の子どもたち用のやり方なのかもしれません。昔の子どもたちの場合は、家に帰れば近所の子ども達と遊びながら社会性を身につけていました。しかし現在の子どもたちは、家に帰っても近所の子ども達と遊ぶことはなく、園や小学校・学童がほとんどです。そこで社会性を形成できるように行っていく必要があります。そのため、遊ぶような感覚でそんな場を作ってはいかがでしょうか。


例えば段ボールをたくさん用意して自由に作らせるようにしたり、模造紙を何枚も張り合わせて自由に描かせるなど、4・5・6を行ったり来たりするような場面をセッティングします。どうしても先生は浮いてしまいそうな子に単独で活躍する場を作ろうとしたり、個人での成功体験を無理に与えようとしたりと、みんなに個人を認めさせることを考えてしまいがちです。しかしそうではなく、3で止まっている遊びの発達を、場面を設定することで歩ませてあげるようにしてあげましょう。新教育要領では、「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」=「10の姿」で、「社会生活との関わり」も掲げられています。その準備をしてあげておいてください。

赤堀 達也(あかほり たつや)

旭川大学短期大学部 准教授・元パーソナルストレッチトレーナー・バスケットボールコーチ
幼児体育指導、小学校のスポーツ少年団指導、中学校の部活動指導、高校の体育指導、大学の体育指導及び部活動指導と、全年代の子どものスポーツ及び体育指導の経験を生かし、子どもの運動能力の向上を図る研究を行う。

同じテーマの執筆者
  • 江尻 寛正

    倉敷市立連島南小学校 教諭

  • 高橋 英路

    前 山形県立米沢工業高等学校 定時制教諭
    山形県立米沢東高等学校 教諭

  • 高橋 朋子

    近畿大学 語学教育センター 准教授

  • 川村幸久

    大阪市立堀江小学校 主幹教諭
    (大阪教育大学大学院 教育学研究科 保健体育 修士課程 2年)

  • 赤羽根 和恵

    東京福祉大学 国際交流センター 特任講師

  • 常名 剛司

    静岡大学教育学部附属浜松小学校 教諭

  • 藤井 三和子

    兵庫県立兵庫工業高等学校 学校心理士 教諭

  • 川島 隆

    浜松学院大学 現代コミュニケーション学部子どもコミュニケーション学科准教授

  • 都築 準子

    愛知県公立中学校勤務

ご意見・ご要望、お待ちしています!

この記事に対する皆様のご意見、ご要望をお寄せください。今後の記事制作の参考にさせていただきます。(なお個別・個人的なご質問・ご相談等に関してはお受けいたしかねます。)

pagetop