学級開きと自己開示
4月。子どもも先生たちもワクワクドキドキでむかえる新学期。始業式からの数日は黄金の3日間とも呼ばれる大事な期間で「あれもこれも伝えなきゃ!」と焦る気持ちになってしまっていませんか?
ルール・規則を伝える前にもーっと大事で子どもたちが知りたいことについてお話していきます。
寝屋川市立小学校 山本 優佳里
学級開き時に担任の自己紹介を忘れずにしよう!
はじめまして。4月より教育つれづれ日誌を執筆させていただきます。
寝屋川市立小学校教諭の山本優佳里です。
幸いなことに全学年を担任させていただきました。
本年度は初の担外(高学年理科専科)ですが、学んだことや、実践したことを主に紹介していけたらと思います。
今回は学級開きと自己開示というテーマでお話しします。
結論から先に伝えると
学級開き時に担任の自己紹介を忘れずにしよう!
その自己紹介によって
① 保護者とつながる
② 子どもと関係を作りやすくなる
という2つのメリットがあります。
黄金の3日間
詳しく説明していきますね!
まず「黄金の3日間」という言葉を聞いたことある人は多いと思います。初めの3日間で学級や授業のルールをしっかり伝える。そうすれば1年間はある程度軌道に乗ったクラス経営ができる。というのが一般的な意味合いでしょうか。
わたしも「黄金の3日間」はすごく大切だと考えていてこの3日間だけはいつも以上に話す内容や順番、使う言葉なども綿密に用意をして臨んでいます。
しかし、大切にしなければいけない反面、始業式から3日間というのはとにかく忙しい。配布物の多さや回収物の多さ。離任式の花束贈呈役、学年によれば委員会・クラブ決めなど「しなければならない」ことが多すぎるのも現状です。
だから多くの担任の先生は、学級のルールだけは伝えないと!と「先生がみんなに大事にしてほしいと思っているものは3つあります」などと紋切り型のような話が始まってしまうわけです。
自分がどんな先生かを子どもたちに開示する
でも学級のルールの前に話すべきことがあると私は思っています。それは自分がどんな先生かを子どもたちに開示することです。簡単に言うとしっかり自己紹介をするということです。
子どもの立場になって考えると分かりやすいと思うのですが、子どもたちが担任がわかって次に知りたいのは、学級のルールより、「この先生はどんな先生なのだろう」ということなのです。
まずは自己紹介です。どんなことでも構いません。私の場合は結構赤裸々に話します。
・名前・誕生日(年齢もこの時点で教えます)・好きなこと・苦手なこと
・家族構成(独身の場合は彼氏の有無)・出身小・中学校・どんな子どもだったか(エピソードとともに)
そして随時子どもたちからの質問も受け付けます。
低学年の場合は「好きな色は何ですか?」「好きな遊びはなんですか?」など、可愛いらしいほんわかしたことを聞かれることが多かったです。
高学年の場合は「結婚式の写真を見せてください」「子どもはいますか?」など、やはり恋愛関係は気になってしまうようで質問してくれました(写真も基本は見せます)。
自己紹介をすると良いこと
こうやってしっかり自己紹介をすると良いことが2つあると思っています。
一つ目は子どもたちが家に帰ったときに保護者の方に「こんな先生だったよ!」と報告ができることです。低学年の子でも「ドッジボールが好きな先生だって!」「オレンジ色が好きな先生だよ」とその子なりに引っかかったポイントで保護者の方に伝わります。たとえ担任の人間性に重要でない情報だとしてもその子が自分で話を聞いて何かしらの情報を持ち帰ってくるということに価値があるのです。一番よくないのは「女の先生。うーん普通」のように情報量ほぼ0で帰してしまうことです。
二つ目は先生である前に一人の人間なのだということが伝わるからです。低学年の時期は先生という絶対的な存在も大事なのですが高学年になってくるとあからさまな先生とした態度に反抗的になる子もいます。いきなり先生風を吹かせるよりはまずは人となりを知ってもらうことで良好な関係を作るきっかけにもなります。
もし、今回の学級開きで自己紹介し忘れていても大丈夫。とても有効な方法があります。
それはなにかの授業を15分早く終えて
「本当は先週したかったのだけど、改めて自己紹介するね」というだけです。
ポイントは“授業を15分早く終える”というところです。
この一言さえあれば子どもたちも喜んで話を聞いてくれますよ♪
まだまだ始まったばかりの今年度、「しなければならないこと」も大事だけれど、もっと子どもたち目線にたって子どもたちの欲しているものは何なのかを敏感に感じ取れる先生でありたいですね。
わたしもまだまだ修行中の身。
忙しさに負けずほどよく頑張っていきましょう。
ここまで読んでくださりありがとうございました。
山本 優佳里(やまもと ゆかり)
寝屋川市立小学校
小学校教員として約10年間働いてきました。全学年の担任経験があり、学級通信の作成やお楽しみ会の企画が大好きです。私のモットーは「心でつながる」で、教育現場において大人の余裕やゆとりが子どもたちの健やかな成長に繋がると信じています。最近では、職場での効率化に取り組み、21時退勤から17時退勤に変えることができました。これからも、一生懸命子どもたちの成長を支え続けたいと思います。
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