2020.04.02
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今年は、4月学年開きで保護者に「躾けておいてください」宣言しちゃいます!

先生が体罰することはゼッタイ!ありえませんが、子どもの方は、つい友だちに手や足が出てしまったり、ひどいことを言ったり、人のものを勝手にいじったりすることがまだまだありますよね......。そういったトラブル対応がゼロというクラスは、なかなかないのではないでしょうか。
また新しい一年が始まりますが、もう、あれにはウンザリ。そこで今年は、こんな工夫をしてみようかと思っています。

東京都内公立学校教諭  カナダライアソン大学認定ファミリーライフエデュケーター(家族支援職)  特定非営利活動法人手をつなご(子育て支援NPO)理事 林 真未

年度始まりに、「躾けておいてください」宣言

教師の本業は、学習を教えること。まあ、必要に迫られて集団生活の作法も伝えていますが、個々の子どもの躾って、本来は家庭の役割だと思うのです。
今年度は、そこを最初に保護者としっかり共有しようと思っています。
具体的に、こんな文章を考えました。

学校は、「人をぶったりけったりしない」「ひどいことを言わない」「勝手に人のものをいじらない」ということをわきまえているという前提で、お子さんをお迎えしています。
集団生活をするうえで、「自分と同じように、他の人も大切にする」という態度は不可欠です。
進級(入学)にあたっては、このことについて、ご家庭でしっかり躾けておいてください。
また、1年を通じて、折に触れてお子さんと、このことについて確認してください。

ちょっと厳しいですか?
でも大事なことだと思うのです。

本来、家庭で躾けておくべきこと、そして、学校では許されないことをはっきりさせて、1年間を過ごしたいと思っています。

とはいえ、フォローもたっぷりと!

ただ、発達の問題を抱えている子や、家庭内に既に暴力がある子など、そうはいかない子がいるのは、ご存じのとおりです。
保護者がすでに、子どもの問題行動に苦しんでいることもあるかもしれません。

上記のように伝えるのは、学級を穏やかな場所にしたいからであって、保護者を追いつめるのが目的ではありません。
そこで、躾は家庭教育の範疇であることを踏まえながらも、同時に支援の提供も申し出ます。

もしも、「言い聞かせているのに、どうしても手が出てしまう」「つい、他の子のものをさわってしまう」など、ご家庭での教育がうまくいかないようでしたら、遠慮なくご相談ください。
本人も、困っているかもしれません。一緒に考えていきましょう。

特別支援の先生方がよく言うように、困った子は、困っている子のはずですから。

教室での対応は伝えません

これだけ伏線を張ったとしても、かならず、ぶったりけったりのトラブルも、ものを勝手に取ったりさわったりのトラブルも起きるでしょう。

私は、それらの事実については、あまり保護者に伝えません。今年は、それも徹底しようと思っています。

その問題行動が、普段は円満な子の一過性の過ちなら、保護者に伝えるまでもありません。

発達に偏りを持つ子が、自分の感情をコントロールできずに暴力的になる場合もあるでしょう。
それも、保護者にはどうすることもできない。

ネグレクトや教育虐待等、不適切な子育ての結果、学校での問題行動が現れている場合もあります。
この場合は、保護者が子どもの不適切行動の遠因で、しかも保護者自身はそれに無自覚なことが多いですから、伝えるのであれば、相当の戦略と覚悟がなければ、うまくいきません。

私は、これまでの経験から、教員という立場では、そのような選択肢を取るよりは、直接子どもに向かう方が得策である、と考えています。

保護者に伝えたところで、保護者は家で子どもに言い聞かせることしかできません。
言い聞かせて直るくらいなら、もうとっくに直っています。

だから、学校で起きたことは、学校で解決します。
トラブルが起きるたびに、私なりに全身全霊を傾けて、「自分も相手も大切にする」という価値観を子どもに植え付けます。
それは、相手だけではなく、その子自身をも幸せにできる生き方だと信じて。なかなか伝わらずに、悪戦苦闘の毎日ですが……。

(もちろん、相手の子が大きな怪我に至る、学校の器物を破損するなど、大事件になった場合は保護者に伝えなければならないと思います。)

最初の宣言は、くりかえし、くりかえし、くりかえし伝えます

個別の案件をいちいち保護者に伝えない代わりに、保護者会や学級通信等を通じて、冒頭でご紹介した文章を、くりかえし、くりかえし、くりかえし伝えていこうとは思っています。

子どもにとって家庭の影響は絶大です。
家庭の影響力に比べれば、学校のそれは、私達教員が思っているよりずっと少ない。

だからこそ、「子どもに友達をぶったりけったりさせない、勝手に友達や先生のものをいじらせないようにするのは保護者の役目」という認識を、全家庭に醸成したいと考えているのです。



これでなんとか、子ども同士のトラブルが少なくなるといいんですが……。
今年度も1年、頑張りましょう!

林 真未(はやし まみ)

東京都内公立学校教諭
カナダライアソン大学認定ファミリーライフエデュケーター(家族支援職)
特定非営利活動法人手をつなご(子育て支援NPO)理事


家族(子育て)支援者と小学校教員をしています。両方の世界を知る身として、家族は学校を、学校は家族を、もっと理解しあえたらいい、と日々痛感しています。
著書『困ったらここへおいでよ。日常生活支援サポートハウスの奇跡』(東京シューレ出版)
『子どものやる気をどんどん引き出す!低学年担任のためのマジックフレーズ』(明治図書出版)
ブログ「家族支援と子育て支援」:https://flejapan.com/

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