2019.04.12
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遊びを科学する(1)

最近の園庭事情

旭川大学短期大学部 准教授 赤堀 達也

皆様のおかげで、新年度も教育つれづれ日誌を受け持たせていただけることになりました。ありがとうございます。前期に引き続き、幼児~大学生までの指導に携わった経験を生かし、多角的で継続的な視点から執筆していきたいと考えています。どうぞよろしくお願い致します。

一点、昨年度までと変わったことがあります。4月1日より勤務する学校が変わります。群馬医療福祉大学助教から旭川大学短期大学部准教授へと変わりました。それに伴い、これまでは都会で活動が限られた子どもたちに対する体育や運動についての研究が主でしたが、これからは北海道の大自然を生かした体育や運動についても研究していくことになります。そのため、これまでの研究に融合しながら取り組んでいきたいと考えています。研究の幅が広がることになり楽しみです。また、雪国であるため、冬は室内で行うことが多くなり、これまでの研究も存分に生かせると思います。これまでの研究も引き続き励んでいきたいと思います。

それに関係して、現在の園庭事情についてお話したいと思います。現在、都内で園を作る際に、あえて山のような斜面を作る動きがあります。とてもいい傾向だと思います。「幼児体育に取り組んでいる園の子どもたちより、取り組まずに運動遊びを行っている園の子どもたちの方が運動能力が高い」という研究結果が発表されてから、いかに子どもたちを遊ばせるかという環境設定が求められるようになっています。その取り組みの一つになります。

陸上界では腸腰筋(大腰筋+小腰筋+腸骨筋)が注目されています。この筋肉は背骨や骨盤の内側からスタートして骨盤の中を通り大腿骨につく筋肉になり、腿を引き上げたり腰を反らせたりする筋肉になります。

最近の子どもたちを見ていると、腿が上がらずに、足を引きずるように走る姿が気になります。中学生以降になるとラダートレーニングをすることが多いですが、もし腸腰筋を刺激したいならミニハードルで腿が上がるようにトレーニングしたり、階段トレーニングをしたりするといいでしょう。
幼児や小学生なら、斜面で鬼ごっこしたりするなど、傾斜を利用して走り回る遊びが有効です。そのための環境設定として園庭に斜面を作るようにしています。ただ単に子どもが喜びそうだからというだけでなく、ちゃんとした理屈があります。

最近、何もないところでもつまずいて転ぶ子が多いです。整備された平坦なところだけで遊んでいることが影響しているでしょう。公園でも遊具がどんどん撤去されていますが本当にそれでいいのでしょうか。ハイリスクは子どもを壊してしまいますが、「ゼロリスク=ハイリスク」だと思っています。プチリスクが子どもを育てていくのだと思います。子どもへの環境設定をもう一度考え直してみませんか。

赤堀 達也(あかほり たつや)

旭川大学短期大学部 准教授・元パーソナルストレッチトレーナー・バスケットボールコーチ
幼児体育指導、小学校のスポーツ少年団指導、中学校の部活動指導、高校の体育指導、大学の体育指導及び部活動指導と、全年代の子どものスポーツ及び体育指導の経験を生かし、子どもの運動能力の向上を図る研究を行う。

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