2024.04.10
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気づいたらグローバル

長女が通うのは、0~2歳児クラスまでの子ども12人の小規模な保育園です。
先日この保育園で、週末にピクニック/運動会イベントがあり改めて色々な保護者や保育者と関わることができたのでその時に学んだことをまとめてみたいと思います。

墨田区立八広小学校 教諭 遠藤 千裕

時代なのか、地域柄か、12家庭しかいないにも関わらず、4家庭が国際結婚もしくは外国籍のご家庭という保育園です。
ドイツ、フランス、ウクライナ、韓国、中国などさまざまなバックグラウンドの保護者と会うことができました。

アクティビティでは、
親子でじゃんけん列車、
抱っこして新聞紙じゃんけん、ボールを持った子どもが保護者のいるところまでボールを運ぶ競争、
子どもを抱っこした保護者が走ったりけんけんぱをしたりするチーム対抗リレー、
最終的に大人だけの縄跳びを飛んだりする障害物競走もあり、大人の運動会の様相を呈し大変盛り上がりました。

フランス人パパさんの疑問

競技が終わった後、フランス人のパパが「なぜみんな縄跳びができるの?」と聞いてきて、驚きました。
そのパパさん、競技直前で棄権したくらいなので本当に跳べなかったみたいです。

日本で生まれ育った私たちは、幼い頃から遊びとして縄跳びをしていましたし、小学校に上がれば体育のカリキュラムはもちろん、縄跳び月間、大縄集会等で得意な子も不得意な子も否応なく上手くならざるを得ないスキルとして捉えていました。
それを伝え、水泳や自転車みたいなもんだよ、と言ったら今度は「いや、水泳の授業も市民プールに数回行ったくらいだから泳げない人口もかなりいるよ」と言われてしまいました。
このパパさん曰く、アフリカ系家庭のフランス人は特に水泳が苦手なんだよと教えてくれました。
同じ国民の中でも、そもそも泳ぐ文化圏と、泳がない文化圏が存在するようです。

日本のカリキュラムと今後の格差

やっぱり教わっているからできるようになっていることって多いんだなあと感じました。
今更ながら、日本の義務教育カリキュラムとても充実しているなあ、と思ってしまいました。
自信を持っていい。もっと自信を持ちましょう!

と、同時に、
今後日本の義務教育学校でも経済的な問題で、水泳や、縄跳びやその他さまざまな教科、単元、小さなスキル等を教えきることができなくなる可能性もあるんだなと少し怖くなりました。
内容を精査するのはもちろん持続可能な義務教育学校と職員の働き方を担保する上で大事なのですが、実際に「教わってないからできないよ」という文化圏を知ると、少なくとも自分の子どもにはできるよう教えたいなという欲が出ました。
こうして、経済格差から生じる体験格差の芽が出るのかもしれないと思うと不安になってしまいました。

勝負強い人たちに揉まれる新しい世代を見る

親子でじゃんけん列車で面白いなと思ったのは(これは個人の性格によるかもしれませんが)、海外勢の大人が非常に勝負強いことです。
ただの子どもの運動会のアクティビティで、内容はじゃんけんなのに、本気で挑んできます。
ストラテジーも考えてきます。
子ども相手のじゃんけんでも絶対に容赦しません。
じゃんけん列車で最後まで先頭にいたのはウクライナのママでした。
なんというか、相手が子どもでも大人でも厳しさが均一で、日本とは違って面白いな、しかし学ぶべき姿勢かもしれないと思いました。

外国のお弁当

お弁当は全員のお弁当を見て回れなかったのですが、フランスのお弁当がボリューミーでダイナミックでした。

バゲットにチーズ、トマト、アボカドを挟んだサンドイッチと
バゲットに切れ込みを入れて板チョコが一枚そのまま挟まったサンドイッチでした。
この大ぶりな2つのサンドイッチは、1本のバゲットから作られているので一人でバゲット1本食べている計算になります。

日本勢のお弁当はキャラ弁、たくさんの種類のおかず、おにぎり、サンドイッチと色々なバリエーションがありことらも見ていて楽しかったです。次回のチャンスでは絶対他の国のお弁当も見せて貰おうと心に誓いました。

遠藤 千裕(えんどう ちひろ)

墨田区立八広小学校 教諭
脱サラして教員になった育休中の教諭です。 
一般市民、保護者、ママ友、ニュースの視聴者、地域の人間として 「学校」というものを俯瞰してみることを初めて経験しています。 
ママ友との会話等を通して、学校側から見た時は理解できなかった「地域からのお言葉」や「保護者とのすれ違い」について、腑に落ちることが多くありました。
この経験を現場の先生方にもシェアすることで学校と周りの環境の摩擦係数を減らす方法を考えていけたらと思います。

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