2018.04.22
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「カラーバス効果をねらってNIEを」

さいたま市立植竹小学校 教諭・NIE担当 菊池 健一

NIEのよさって???

 近年、日本新聞協会のNIE(教育に新聞を)アドバイザーとして、主に勤務校のある埼玉県内の学校にNIEを広める活動を行っています。特に私の勤務校のあるさいたま市では、市教委が積極的に授業などで新聞を活用することを進めています。しかしながら、これまでのつれづれ日誌にも書いてきたように、思うように新聞の活用が広がっていない状況です。

 お世話になっている指導主事の先生が、「NIEが広まらないのは、その効果がよく見えないからではないか」とおっしゃっていました。また、日本新聞協会ではNIEの効果の見える化を図るための活動もスタートさせました。NIEは活動内容だけでなく、活動することにより得られる効果も多岐にわたっていると考えます。それは大変すばらしいことですが、逆に先生方がどのように新聞を活用してよいのかを迷わせていることにもなっているようです。

 しかし、新聞の活用は現行の学習指導要領でも重要視され、新学習指導要領では「情報を得るためのツール」として、新聞の活用を進めています。さらに、総則に新聞の活用が位置付けられたことにより、現在よりも新聞の活用が進められるべきです。その点からも、これから新聞の活用をこれまで以上に広げていかなければならないと思います、そして、そのためにNIEの効果をしっかりと示し、複雑ではない新聞の活用法を紹介していきたいと考えています。

3年生・算数「棒グラフ」の授業での実践

 現在担当する3年生で、NIEを導入した取組を行いました。3学年の算数科では「棒グラフ」を読んだり書いたりする学習があります。棒グラフの読み方を理解させ、実際に数値をもとにグラフを書く技能を身に付けさせます。ここに新聞を活用してみました。

 具体的には児童が丸ごと1部の新聞から棒グラフを探す活動です。平均して1部の新聞に4~5個ぐらいの棒グラフが使われていましたので、児童は棒グラフを実際の新聞から見つけることができ、社会の縮図である新聞に現在学習していることが生かされていることを感じられました。

「先生、ここにも棒グラフがあったよ。ちゃんと表題もついているよ。」

「横向きになっている棒グラフもあるよ。」

「1目盛りが200万人になっている棒グラフもあるよ。とっても大きい数も表せるんだね。」

など、感想などを述べ合いながら活動を行っていました。

 グラフを見つけた後は、そのグラフがどんなことを表しているかを考える活動です。児童にとって新聞記事はまだ難しいですが、グラフと見出し、そしてその他の写真などの資料から、おおよその記事の内容を理解することができます。児童はグラフと見出しから大体の内容を理解し、友達に見つけたグラフを紹介することができました。

カラーバス効果をねらって・・・

 算数の授業で棒グラフを扱う授業はこれで終わってしまいますが、児童はきっとこれからも新聞などから棒グラフを進んで見つけるのではないかと思います。休み時間に、

「先生、ここにもグラフがあったよ。外国人が日本に来ている数が増えているという記事だよ。」

と報告をしてくれました。

 頭の中に意識していることがあると、自然と関連することに目が行くようになるようです。これは「カラーバス効果」と呼ばれるそうです。この「カラーバス効果」を意識して指導していくことが、新学習指導要領で重要視されている「社会に開かれた教育課程」を実現するために大切だと考えています。なぜなら、学習したことを定着させ、生きて働く本物の知識にするために、生活と学習内容をリンクさせる必要があるからです。また、そこに新聞を使うことで、社会の中にどう学習内容が生きるかが理解できます。この、「カラーバス効果」を、NIEの効用としてぜひ広めていきたいと考えています。

菊池 健一(きくち けんいち)

さいたま市立植竹小学校 教諭・NIE担当
所属校では新聞を活用した学習(NIE)を中心に研究を行う。放送大学大学院生文化科学研究科修士課程修了。日本新聞協会NIEアドバイザー、平成23年度文部科学大臣優秀教員、さいたま市優秀教員、第63回読売教育賞国語教育部門優秀賞。学びの場.com「震災を忘れない」等に寄稿。

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