2018.03.14
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国語授業で防災学習をスタート(リポート3) さいたま市立海老沼小学校 教諭 菊池健一さん

東日本大震災を取り上げた授業を、さいたま市立海老沼小学校 教諭 菊池健一さんが6回にわたってご紹介します。第3回目は、被災地の取材をした新聞記者の講演と、話し合い活動です。

新聞記者の方から防災の大切さを学ぶ

3学年の教科書(教育出版)に「調べてほうこくしよう」という単元があります。教科書では地域のお祭りについて調べ、調べたことを友達同士で紹介し合う活動が例示されています。この単元を活用して、NIEを取り入れた防災教育に取り組んでみました。国語科の目標を達成しながら、防災についての意識を高めていきたいと考えました。

講演をする山浦氏

講演をする山浦氏

毎年、防災を取り上げた単元の初めに、被災地の取材をした新聞記者の方をゲストティーチャーとしてお呼びし、児童に話をしていただいています。児童は普段からNIE(新聞活用)の学習に取り組んでいるので、その新聞の作り手である記者の方の話を聞くことで、学習する内容と現実をリンクさせることができると考えているからです。今回、ゲストティーチャーをお願いしたのが、朝日新聞社の元釜石支局長である山浦正敬記者です。山浦記者は、震災直後から釜石支局に赴任され被災地の取材にあたってきました。そして、被災地を取り上げた記事を多く書いています。児童と山浦記者の書いた記事を事前に読む活動を行った上で、山浦記者の講演を聞きました。

山浦氏に質問をする児童

山浦氏に質問をする児童

山浦記者には、東日本大震災の取材について、記事を基に解説してほしいことやそれに基づいた防災の必要性をお話しいただくよう要請をしました。また、児童が記事を書くためのアドバイスもしてほしいことも告げておいたので、今後の授業のねらいに合った講演をしていただくことができました。また、児童は事前に山浦記者の書いた記事を読んでいるので、被災地についてたくさんの質問をしていました。 単に話を聞くだけではなく、児童が主体的に記者に質問し、双方向のやり取りを行うことができました。また、山浦記者から、

「調べたことを記事にする時には、まずは見出しを考える。そして、見出しを基に記事の構成を考え、はじめに一番伝えたいことを書くようにしよう」

というアドバイスをいただきました。このアドバイスを基に児童は記事を書く意欲を高めることができました。

自分が調べたい課題について考える

調べる場所で危険について考える児童

調べる場所で危険について考える児童

次に、児童が身の守り方について調べる場所を決める活動を行いました。場所を決める視点として、教室以外で全校児童のいる可能性が高い場所を挙げました。理科室や音楽室、家庭科室なども出されましたが、低学年の児童はそこにいる可能性があまりないので、(1)トイレ (2)昇降口 (3)体育館 (4)図書室に絞りました。児童は早速、調べることになった場所の見取り図を描き、どんな危険があるかを予想しました。そして、実際に調べる場所に行き、どのような危険があるかを考えました。普段何気なく通っている所でも、大地震が起こったら大変危険が多いことに気が付きました。児童は、気が付いたことをワークシートに書き、調べる場所で起こりうる危険をしっかりととらえることができました。

起こりうる危険をグループで考える児童

起こりうる危険をグループで考える児童

そして、児童はそれぞれ調べる場所で安全に身を守るためにしなければならないことなど、どのようなことを調べたり、どんな情報を得たりすればよいかを考えました。児童には、あらかじめ、調べる方法として、防災関係の本と防災関係の新聞記事(新聞社のデータベースを活用)、そして防災士の先生へのインタビューの3つを示しておいたので、児童はどんな情報を得ればよいかを意識することができていたようです。これまでの活動により、防災の必要性についての意識が高まっているので、どの児童も積極的に話し合い活動に参加していました。

児童は今回の活動で調べることや得たい情報を明らかにすることができました。次回からは調べ学習に入ります。まだ3年生でもあるので、資料や情報を得る専門の方を教師の方で手配しました。今回の学習を通して、必要な情報を得る方法についても詳しく学習してもらいたいと考えています。

文・写真:菊池健一

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