2018.02.28
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防災学習を国語科で実践する(リポート1) さいたま市立海老沼小学校 教諭 菊池健一さん

東日本大震災を取り上げた授業を、さいたま市立海老沼小学校 教諭 菊池健一さんが6回にわたってご紹介します。第1回目は、単元計画についてです。

防災教育の必要性を感じて・・・

早いもので、あの東日本大震災からもうすぐ7年になります。私自身、さいたま市で震災を経験しましたが、震度5の地震を経験したことは初めてであり、今でもその時のことをはっきりと覚えています。そして、これまで震災をテーマに様々な授業を実践してきました。

今年度担当している3年生は当時1歳から2歳であり、話を聞いてみると半数以上の児童が震災当時のことを覚えていませんでした。これまでは、児童と震災当時にどこにいてどんなことを考えていたかなどを話し合えたのですが、もうこれから受け持つ児童にとって、東日本大震災は「過去の出来事」になってしまうのだと改めて感じました。

しかし、防災教育は学校の中でしっかりと行っていかなければならないと考えています。東日本大震災だけでなく、この7年の間に熊本地震など多くの災害が日本を襲いました。また、近い将来に巨大な地震が日本を襲う可能性が高いことも示されています。そのような中、児童がこれから生きていく上で災害に遭ったとしても、自分の命を自分で守れるようにならなければなりません。

文部科学省が発行する防災教育資料によると、中学年で例示されているのはおおむね総合的な学習の時間において地域の防災マップを作るような活動です。本校では、総合で地域や環境をテーマに取り組むことが決まっているために総合で防災に取り組むことができません。そこで、教科の中で防災を取り上げることができないかを考え、国語科の単元を活用して防災に取り組むことにしました。

防災の取組が次の学年にどうつながるか

防災について取り組む上で考えておきたかったのは、学習したことがその後の学年でどのように生かされていくのかを明らかにすることでした。そうすることで、防災についての取組が単なる一過性のものではなく、系統性を持ち継続的に児童が考えていける課題になると考えます。

そこで、現在担当している3年生の児童が4年生以降で使用する各教科の教科書を調べ、その中で震災に関する事項がどのように扱われているかを洗い出しました。4年生以降で、震災を扱っている教科とその内容は以下の通りでした。


【4学年社会科】
○『安全なくらしとまちづくり』「災害からまちをまもるために」
 →東日本大震災の被害の様子が取り上げられている
○『健康なくらしとまちづくり』「ごみはどこへ」
 →コラムの中で原発の問題が取り上げられている

【5年社会科】
○『食料生産を支える人々』「食料の確保」
 →被災地である岩手県宮古市の漁業についての事例がある
○『情報を伝えるさまざまなメディア』「情報を伝える人々」
 →被災地の新聞についての事例がある
○『国土と自然とともに生きる』「自然災害とともに生きる」
 →津波についての事例がある

【6年理科】
○『変わり続ける大地』
 →コラムで地震の事例が取り上げられている

【6年社会科】
○『暮らしの中の政治』「災害からわたしたちを守る政治」
 →地震や津波についての事例・災害支援についての事例・復興の取組についての事例などが取り上げられている


このように見てくると、特に社会科を中心に様々な切り口で震災が取り上げられていることがわかります。このことを踏まえると、今回の学習で震災(防災)について学習しておくことが、次からの学年で出てくる震災関連の内容を深く理解するためにも役立つのではないかと考えられます。特に、現在担任している3年生の児童よりも小さい学年では東日本大震災について知らない児童がほとんどになってくるのでなおさらではないかと考えます。以上のことを踏まえて、単元の計画を練ることにしました。

しかし、急に震災について児童に提示しても児童はすぐに自分事として考えられないと思います。単元の授業に入る前にいくつかの取組を行い、児童の意識を高めていけるようにしました。

文:菊池健一

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