教育つれづれ日誌執筆者であり、良き先輩であり、研究仲間である松井恵子先生の「学級通信神話にもの申す」(本文はここから)
に影響をうけ、私ももの申したいと思います。(なんだか江頭2:50みたいですが・・・)
あれだけ喧嘩をしていたのに。あれだけ泣いていたのに。
話し合いの最後の
「ごめんね。」『いいよ』
というそれぞれ5文字にも満たないやりとりですぐに仲直り・・・。
低学年ではこのようなケースが多いのではないでしょうか。
私は、この「ごめんね。」「いいよ。」というやりとりにとても違和感があります。
・「ごめんね。」「いいよ。」ですぐに解決できるなら、あれだけの喧嘩をしないでよ!?
・そんなにすぐに許していいの!?
と私は思ってしまいます。
みなさんは違和感ありませんか?
トラブルの話し合いの最後は、「ごめんね」『いいよ』という「お互いに仲直りをして終わり」という流れが定番です。
「ごめんね。」『いいよ』と話し合いの最後に子どもたちが言い合うと、正直教師も安心します。
もちろん仲直りをして終わることは大事ですが、私は「ごめんね」『いいよ』という言葉を言わせることより
お互いが納得することが大切
だと考えています。
お互いが納得したうえで謝り、仲直りをする
ことがベターではないでしょうか。
そのために私は話し合いの最後に、
「まだお話しておきたいことはありますか?」「お互いに言いたいことはありませんか?」
と聞くようにしています。思っていることをすべて吐き出させるためです。
納得しないまま無理やり「ごめんね」「いいよ」と完結させると、家に帰ってから、不満をぶちまけます。すると保護者から電話があり・・・・。
悪循環です。
こうならないために思っていることをすべて話させたいのです
すぐに「ごめんね」「いいよ」という子
子どもの中には、すぐに「ごめんね。」と言う子がいます。これまでも叱られてきた経験があるのでしょう。
「ごめんね」と言えば、話し合いが終わると思っているのでしょう。
こういう子には、
「何が、ごめんねなのか、しっかり相手に話をしましょう。」
と問い返し、具体的に話をさせます。
『いいよ』とすぐに言った子には、
「いいよと言ったけど、本当にそれでいいの?」
と問い返します。それでも「いいよ。」と言った場合には、
「○○さんは許してくれるんだって。優しいね。だから同じことをしたらだめだよ。また同じことをしたときは、○○さんは許してくれないかもしれないよ。」
と相手に伝えるようにしています
こういう場面もあります。
「ごめんね」と相手がいったときに、「許さない」と言う子がいます。また無理に「いいよ。」と言う子がいます。
(表情や態度をみているとだいたい納得しているかがわかります。)
そういうときには、相手に
「本当に怒っているから許してくれないんだよ。どうしよう?」
と言い、考えさせます。しばらく考えさせ、
「今は許さなくてもいい。ただ今後今日のようなことをしなければ、そのときに許してあげてくれない?」
と怒っている子に伝えます。
トラブルの話し合いの最後に無理やり解決する必要はないと思います。数日後に解決ということでも良いと思います。
このときには、数日後に「◯◯ちゃん、あの件はあれからどう?」と声かけをして、どうなったのかを探るようにしています。
先生はこの後のことを見ていたんだと子どもたちに実感させるためです。結局、先生は言葉だけじゃんと思わせないためです。
話し合いの終わり方に正解はありません。子どもたちがお互い納得したうえでの「ごめんね」『いいよ』を目指したいものです。

樋口 万太郎(ひぐち まんたろう)
京都教育大学附属桃山小学校
みんなが「わかる」「できる」、そして「楽しい」授業を目指し、目の前にいる子に応じた指導を行っています。キーワード「学級経営」「算数」「タブレット端末」。
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