2015.10.27
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飽きさせない新出漢字学習の指導

京都教育大学付属桃山小学校 樋口 万太郎

1年生で80字、2年生で160字、3年生で200字、4年生で200字

5年生で185字、6年生で181字の計1006字の漢字を学習する小学校。

 

みなさまは新出漢字の学習をどのようにすすめているのでしょうか。

私は授業でドリル、家庭学習でノートを使用しています。

私は授業では次のように進めます。

 

私は黒板に漢字を書いたのち、

1 新出漢字の読みを確認

1 書き順を確認し、書き順をいいながら空書き(空中に漢字を書く)

2 ドリルで漢字(1文字)をなぞらせる

3 画数の確認

4 部首の確認

5 漢字の練習

6 言葉集め

 

文を作るところやノートは宿題にしています。

だいたい1日2~3文字を目標に進めています。

高学年になると学校ではなく、家で新出漢字を進めていくシステムをとったりしています。

しかし、この新出漢字の学習を子供たちは飽きたり、嫌がったりします。そこで、飽きたりせず、楽しい授業をするための工夫を紹介します。

 

空書き

空書きをするとき、飽きてくると指をあげたりしなくなります。

子供たちが飽きるNO1です。

子供たちが普通の空書きに飽きてきたなと思ったら、

 

(1)ロックンロール書き・・・1、2、1、2、3、4とロックのようにリズムをとり、書き順を1、2、3、4とリズムよくいう。

(2)スロー書き・・・とてもゆっくり書く

(3)サイレント書き・・・声に出さずにみんなで揃えて空書きをする。(案外難しい・・・)

(4)英語書き・・・ワン、ツー、スリーと英語で書き順を言っていく。

(5)中国語書き・・イー、アー、サン、スーと中国語で書き順を言っていく

(6)ピカチュー書き・・・ピカ、ピカといいながら書いていく。ピカを何回言ったか確認する。

(7)頭書き・・・指ではなく頭を使い書く。(頭をふりながら)

(8)尻書き・・・尻字である。言葉の通り尻で字を書く。

 

などの普通の空書き+8パターンを紙に書き、それを箱にいれておき、引いた書き方をみんなでするようにします。とても盛り上がります。

 

漢字アプリ

「常用漢字筆順辞典」

というアプリを使用しています。

このアプリを使い、漢字の書き順をチェックします。

「筆順」ボタンを押すと、自動で書き順通りに漢字が書かれていきます。

「漢字をなぞる」と、次のところが赤く現れ、そこをなぞっていくことができます。

で書き順を覚えることができる。

そこで、子供にタブレット端末上で、1画ずつ指でなぞらせ、筆順を確かめさせます。また

「小学生手書き漢字ドリル1006 -はんぷく学習シリーズ」

というアプリを使い、漢字の復習をします。

このアプリは各学年ごとに漢字が細かく分かれているため、復習をするときにとても使いやすいです。また

Zen Brush

というアプリを使い、新出漢字を筆で書くという体験をさせます。

子供たちはどのアプリも「使いたい!」「やってみたい!」ととても意欲的になります。だから、日直の子や班ごとといったように順番を作り、アプリを使わせています。

教室に無線環境があれば、自分の座席でタブレット端末を使って行わせます。その間に、しんどい子のサポートもすることができます。

 

子供たちはこのアプリを使うことで、楽しんで学習しています。

 

余談

ドリルには1~20といったまとめのページが出てきます。

表のページには漢字が書かれており、読みの練習、

裏のページには読みが書かれており、漢字の練習

という構成になっています。

家で学習させるときには、

[1]裏のページにあるよみをもとに1~20の問題をノートに書く。

[2]表のページをみて、自分で答え合わせ。

[3]間違えたところだけ、覚えるまで何回も練習させます。

全員が2回書きということはさせていません。人によって違うというわけです。

そうすることで、やらされている感が減り、自分で学習するようになります。

「量より質」です。

樋口 万太郎(ひぐち まんたろう)

京都教育大学附属桃山小学校
みんなが「わかる」「できる」、そして「楽しい」授業を目指し、目の前にいる子に応じた指導を行っています。キーワード「学級経営」「算数」「タブレット端末」。

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