カラオケで自分が歌っている様子を録画し、その映像をみたとき、
・ 自分の声が思っているより低い・・・
・ 抑揚をつけて歌っていたつもりが・・・
・ 目線が・・・
「あれ?思っていたのと違うな」という経験はないでしょうか。
(自分の声を聞いた経験でこのようなことを思ったことはないでしょうか。)
教師は子供たちに範読する機会があります。
私は、この範読がここだけの話しですが、少し苦手です。
キチンと読めているのか不安になることがあります。
今回はそんな悩みも解消してくれる
「音読におけるタブレット端末を有効に使用する場面」
について紹介します。
各学年の音読に関する指導事項
そもそも各学年の音読に関する指導事項はどうなっているのでしょうか。
国語科学習指導要領より各学年の音読に関する指導事項を抜粋しました。
第1・2学年 ア 語のまとまりや言葉の響きなどに気を付けて音読すること。
第3.4学年 ア 内容の中心や場面の様子がよく分かるように音読すること。
第5・6学年 ア 自分の思いや考えが伝わるように音読や朗読をすること。
※補足※
「音読」は、黙読の対語(たいご)だから、声に出して読むことは広く「音読」である。
「音読」は、正確・明晰・流暢(正しく・はっきり・すらすら)を目標とする。
「朗読」は、正確・明晰・流暢に以下を加える。
ア 作品の価値を音声で表現すること
イ 作品の特性を音声で表現すること
(読者の受け止めた作者の意図・作品の意味・場面の雰囲気・登場人物の性格や心情を)
(補習授業校教師のためのワンポイントアドバイス集より抜粋)
(http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/clarinet/002/003/002/007.htm)
各学年によって指導事項は違います。自分の思いや考えが伝わるようにということを1年生に求めてはいけません。各学年の指導事項を意識したうえで、指導を行うことが大切です。
自己評価をするために録画する
音読は自分の音声を聞きながら、自己評価をし、自己修正をします。
音読をしている過程では自己で評価をしていますが、音読全体の評価は他者が評価をしていることが多いように思います。
例えば宿題としての音読練習です。「お家の人に聞いてもらいましょう」と他者からの評価をもらいます。
そういった他者からの評価だけでなく、自分で自分を評価をすることでより音読を向上させることができるのではないかと考えました。
そのために、
「自分が音読しているよう様子をタブレット端末のビデオ機能を使い、録画する」
といったとても簡単なことで、自分の音読している様子を可視化させます。
音読をする上での5つのポイント
私は正しく・はっきり・すらすら読むことを基本とし、
さらに5つのポイントを子供たちに伝えています。
・表情
・読むスピード
・抑揚
・目線
・間
楽しいお話なのに「恐い顔をしている。」
抑揚をつけているつもり、だけど実は・・・。
目線をむけているつもり、だけど実は・・・。
間をあけているつもり、だけど実は・・・。
これらの「実は・・・」はよくあることです。
上のことが自分の様子を見ることで、自分で実感し、修正することができます。
友達からの意見で修正という他者評価と自己紹介の2本立てで音読について考えることができます。
グループで使用するときには
グループにタブレット端末を1台渡し、音読している様子を撮りあいながら、グループ内で、
・よかったところ
・改善すればよいところ
の2つの観点で話し合いをさせます。
子供たちは実際に動画を流しながら、「この○○ちゃんのここがよかった」と動画をもとにふりかえりを行なっていました。
音読をしている子も、自分の様子をみることができ、友達からの考えも説得力があったようです。
活動後に行ったふりかえりでは、
・◯◯ちゃんが動画をみながら、ここがいいよねと褒めてくれたのが嬉しかった。
・友だちのアドバイスがわかりやすかった。
・動画があったため、アドバイスがしやすかった。
などとグループの友だちに褒められた、認められたことがうれしい。アドバイスがわかりやすかった。アドバイスしやすかったというのが多くありました。
樋口 万太郎(ひぐち まんたろう)
京都教育大学附属桃山小学校
みんなが「わかる」「できる」、そして「楽しい」授業を目指し、目の前にいる子に応じた指導を行っています。キーワード「学級経営」「算数」「タブレット端末」。
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