2015.09.28
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運動会練習&運動会のその後

京都教育大学付属桃山小学校 樋口 万太郎

9月といえば運動会の季節ではないでしょうか。

この記事が出る頃にはもう運動会が終わっている学校、ラストスパートをかけている学校、ちょうど練習が折り返し地点といった学校と様々なことでしょう。

今回は運動会の練習や運動会のその後における有効なタブレット端末の使い方を紹介します。

 

動きを可視化する

運動会では、団体演技を行うところも多いことでしょう。

ダンスや組体操やエイサーやソーラン節。

これらの団体演技は一体感や連帯感が生まれます。

私自身も小・中・高と団体演技をしてきました

私は団体演技が好きでしたが、心の中で反発することも多々ありました。

例えば先生から指導される次のような場面でした。

 

先生「膝がまがっていない。もっとまげなさい」

私(十分曲げていますけど・・・。)

先生「膝をもっとあげよう!」

私(膝をあげていますけど・・・)

先生「腕をびしっとまっすぐのばしなさい」

私(のばしていますけど・・・、なんで何度もいうの!)

先生「樋口くん、全然できてないよ!!」

私(え!!やっているよ~!一生懸命にやっているよ!)

 

私は私なりに真剣にやっていましたが、何度も指導されました。

今思えば、自分ではできていたつもりでも、きっとできていなかったのでしょう。

しかしこの当時の私はそんなことはわからず、炎天下のなかイライラしていました。

このような樋口くんはみなさんのクラスにはいませんか?

 

このような樋口くんを生みださないための手立ての1つに

子供たちの動きをタブレット端末のビデオ機能や写真機能を使って録画する

ことをオススメします。

子供たち自身が「腕をまっすぐのばしている」「きちんと曲げている」と思っていても、実はそうではないということの方が多いです。(経験談ですが・・・)

だから実際に自分の動きをみることで、先生が言っていることに「納得」し、「改善」しようと取り組みます。

 

タブレット端末を固定して映像をとっておきます。

(安全な指導のため、基本的には固定をしています。)

ただ毎回みていては、時間もかかります。だから

子供たちの気持ちを引き締める場面にみせたり、

なかなかできない子に映像をみせたり、

給食時間や休み時間や帰りの会などでクラス全員にみせたりしています。

映像には説得力があります。

 

 

運動会が終わった次の日

運動会が終わった次の日に、運動会のふりかえりを行うようにしています。

みなさんも作文をかかせたりすることも多いのではないでしょうか。

「運動会の作文を書きましょう」

ではなく、私は下の3つの観点でふりかえりをさせます。

・がんばったこと、もう少しこうすればよかったこと

・印象に残ったこと

・自分の取り組み方

です。

そのときに

練習中の映像や本番の団体演技の映像

をみせるようにしています。

 

練習中ではまだまだ未完成だった動きが、本番では完成し、すばらしい動きになった。

それはみんなで力を合わせたから、みんなが努力をしたからここまですることができた

ということを改めて実感させるためです。

(10月に懇談がある場合にはお家の方にもみてもらいます。)

高学年になると、映像をみながら涙している子もいます。

そういった姿にこちらもウルウルすることもあります。

ふりかえりの中にはマイナスなことを書いている場合もあります。

私はそれを認めています。自分の取り組み方をふりかえることが大事です!そういった子もいることでしょう。私自身の反省材料にもします。

そういう子たちも違う場面で一体感や満足感を味わったり、活躍したりできるように

新たな目標のもとクラスをリスタートさせます。

樋口 万太郎(ひぐち まんたろう)

京都教育大学附属桃山小学校
みんなが「わかる」「できる」、そして「楽しい」授業を目指し、目の前にいる子に応じた指導を行っています。キーワード「学級経営」「算数」「タブレット端末」。

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