2015.08.21
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算数4年生「式をよむ」×タブレット端末(3) ~子どもの中に位置づける~

京都教育大学付属桃山小学校 樋口 万太郎

授業の続きです。  

 

4.図から式という思考の可視化

 子どもたちに配っていたワークシートをカメラ機能でとり、

「Cくんがかいたこの図からどんな式がみえるかな?」

と投げかけた。

これまでは式から図について考えさせていたが、

子ども達に図からどのような式がみえるのか考えさせた。

 「48-12=36」

最初に指名した子がこのように答えた。

そこで

「48は何か」「12は何か」と問い返し、タブレット端末に書かせながら式について共有していった。

48は8×6だが、これは最初に導入で子どもたちに考えさせたことである。

導入でみんなで共有したことをもとにした考え方であるため、全員がこの式について理解することができていた。

「つながり」を意識しながら、授業を組み立てることは大切である。

この後、さらに何枚か図から式について考え、授業を終えた。

 

5.タブレットが子どもたちに位置づいていなかった。

この授業での大きな反省点。それは

「タブレット端末が子どもたちのなかに位置づいていなかった」

ということである。そのため授業のリズムが悪くなった。

私は今年度担任ではないため、クラスを借りての授業であった。

このクラスでは

思考を可視化するためにタブレット端末を使用することは初めてであった。

給食指導のために、

授業では

NHKのコンテンツを見る、

体育で前転している様子を見て共有する、

音読の様子を撮って活用

ということは4月からこのクラスでは行ってきていた。

クラスではタブレット端末は位置づいてきている。

しかし「教師」がタブレット端末を使っている状態である。

「子ども」がタブレット端末を使っている状態ではない。

子どもたちが自由にタブレット端末を回すことを理想としている。

今回は子ども→教師→子ども→教師→子ども・・・

と教師が常に間に入っていた。これでは授業のリズムが崩れてしまう。

例えば今回使用したアプリ「meta moji note」では、色を変えたりすることができる機能がある。そういった機能を自由に子どもたちが使えるようになっておきたい。ピンクとか青とか子どもが自由に色を変えて可視化するのである。

改めてタブレット端末を子どもたちの中に位置付ける必要があると感じた授業であった。どのように子どもたちに位置付けたらいいか。次号以降で明らかにしていく。

続く

樋口 万太郎(ひぐち まんたろう)

京都教育大学附属桃山小学校
みんなが「わかる」「できる」、そして「楽しい」授業を目指し、目の前にいる子に応じた指導を行っています。キーワード「学級経営」「算数」「タブレット端末」。

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