2015.06.29
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算数1年生「なんばんめ」×タブレット端末

京都教育大学付属桃山小学校 樋口 万太郎

  

私はタブレット端末を

【思考を可視化する】

ために使用することが有効だと考えています。

そのため

子どもがタブレット端末上に書きこんだことが、リアルタイムでテレビに映し出されるような環境を作っておきます。

(例えばiPadとapple TV)

例えば折れ線グラフの学習では、

・最高気温、最低気温

・最高気温と最低気温の温度差は何度

・この折れ線グラフの特徴 

などを折れ線グラフに書き込みながら説明させます。ここが最高気温、ここが最低気温、

温度差はここをみるなどリアルタイムで書き込まれていくため、考え方が見えとてもわかりやすいです。

今回は「算数科」×「タブレット端末」ということで、1年生「なんばんめ」の実践を紹介します。

 

 

1年「なんばんめ」

教科書の絵をモニターに映し出した状態で、

「動物の旗は何枚ありますか?」と問いかけた。

すると子ども達から「5枚あるよ!」と返ってきた。

そこで、「本当かな?タブレット上に書き込んで説明してよ。」

と言い、子供たちにタブレットを渡した。

渡された子はタブレット上に旗の下に「1,2,3,4,5」と書き込み、説明をしていた。

私は当初旗を○で囲み、数えるだけだと考えていたが、旗の下に数を書いていた。(子どもたちはこのような何枚といった問題のときに数を書きたがる。不思議なものである。)

それ以外の子は全員モニターをみて確認していた。

このとき、子どもはもうタブレット上に書きたい、書きたいと興奮状態だった。

だから「しっかりお話が聞ける子に、この後タブレットに書き込んでもらうね。」と伝えたら、子どもはいつも以上に聞くモードになっていた。

次の問題「動物の旗にはどんな動物がありますか」である。

この問題はタブレットに書き込んで、説明する必要はないと思っていたが、子どもたちが書きたい書きたいモードで、初めてタブレットを触らせる時間であったため、タブレットに書かせることにした。今度はどんどん説明する子を変えていった。

そして今日のメインの問題である。

「ライオンの旗は何番目ですか?せーので言うよ。せーの・・・」

「え!?どういうこと」「ちょっと待って、先生!」

数名の子がちょっと待て、ちょっと待ってと言っている

某芸人コンビ状態である。

それを無視し、強引言わせると・・・。

「1番目」「3番目」「・・・(無言、困惑している)」

答えにズレが起きた。しかし、子どもたちは言いたいことがあるようであった。

そこで、「みんな、何か言いたいことあるの?」と聞いた。

子どもたちは「どちら側から数えるの?」「右?」「左?」

と言っていたので、

「言葉だけではわかりづらいから、タブレット上に書き込みながら、説明してよ。」

と投げかけた。子どもたちは

「右」から、

「左」から

右から3番目

左から2番目

ということをタブレット上に書きながら、説明していった。アプリ「meta moji note」を使用し、行っていたため、子どもたちはペンの色を変えながら説明していった。

(ペンの色の変え方は特には教えていなかったが、私がペンの色を変えている様子をみて、覚えたようだ。子どもたちはすごい・・・)

ここでも同じ子にすべてを言わすのではなく、多くの子に書き込ませながら発表させた。

そして

「これらの話はとても大事なことです。お隣の子と今のお話をして。お互いにお話ができたらたちましょう!」

と指示をだした。

この後、適用問題をタブレット端末を使い、同じように行なった。

なんばんめの学習は最初のものを1からではなく、0からカウントしてしまう子がいます。この授業でも最初このように間違えている子もいました。

しかしタブレット端末上で思考を可視化したことで、このような間違いをする子はいなくなった。

授業後、子どもたちに感想を聞くと、「楽しかったー」「わかりやすかったー」との声があった。

そして新任の先生からは「私もiPadを買おうかなー」 という感想があった。 

樋口 万太郎(ひぐち まんたろう)

京都教育大学附属桃山小学校
みんなが「わかる」「できる」、そして「楽しい」授業を目指し、目の前にいる子に応じた指導を行っています。キーワード「学級経営」「算数」「タブレット端末」。

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