子どもも大人も、安心して挑戦できる教室
アメリカ・モンタナ州のボーズマンという町で、モンテッソーリ保育士として働くかたわら、大学院でも学びを深めています。
今回は、9月から始まった新学期の様子を綴ります。
ボーズマン・モンテッソーリ保育士 城所 麻紀子
新学期の教室にある、少し不思議な静けさ
9月から新学期が始まりました。今年の教室は18人。そのうち5人が、新しく入ってきた子どもたちです。
新しい子どもが5人もいるのだから、しばらくは少し落ち着かない毎日になるだろうと思っていました。けれど、始まってみると、最初からかなりスムーズでした。
9月中旬だというのに、今日は最高気温14度。ほんの少し前まで夏らしい日が続いていたのに、急にぐっと冷え込み、外はすっかり秋の雰囲気です。ボーズマンでは、季節がある日突然ページをめくるように変わることがあります。
教室もまた、新しいページを開いたばかりです。
新しいチームで始まる一年
今年度は、主任の先生が2人とも新しく就任しました。私もこれまでの教室のサポートに加えて、学校全体のサポートに関わることになりました。
子どもたちだけでなく、大人たちも新しいチームです。役割分担を確認しながら、毎日の小さな判断を重ね、お互いのやり方を少しずつ知っていく時期でもあります。
だからこそ、最初の数週間は慌ただしくなると思っていました。
ところが、年長の子どもたちは新しい子どもたちを受け入れながら、自分たちの日常を続けています。新しく来た子どもたちも、少しずつ教室の棚や素材、生活の流れに親しみ始めています。
教室には、思った以上に穏やかな空気があります。
にぎやかさとは違う安心感
今年の主任の先生たちは、どちらもとても真面目な人たちです。今のところ、子どもたちと冗談を言い合って場を盛り上げるタイプではないように見えます。
必要なことを丁寧に伝え、子どもたちの様子をよく見て、慌てずに対応する。そんな姿を見ていると、子どもたちの落ち着きには、大人たちの雰囲気も関係しているのかもしれないと思います。
子どもにとって安心できる教室というと、先生たちがよく笑い、明るくにぎやかな場所を思い浮かべるかもしれません。もちろん、笑い合うことや温かなやりとりは大切です。
でも、安心の形は一つではないのでしょう。
大人が必要以上に慌てないこと。声や表情に大きなぶれがないこと。子どもが困ったときにすぐ答えを出すのではなく、まずその子の様子を見ること。
そんな静かな安定感もまた、子どもたちに「ここは大丈夫な場所だ」と伝えているのかもしれません。
安心して挑戦できる教室を目指して
新学期はまだ始まったばかりです。これから疲れが出る子もいるでしょう。
昨年度は、大人たちの側にも余裕のない時期がありました。だからこそ今年は、教室だけでなくスタッフルームも含めて、大人たちが落ち着いて働き、子どもたちに集中できる環境を整えていきたいと思っています。
子どもたちも大人たちも、失敗したり、立ち止まったり、助けを求めたりしながら、安心して挑戦できる場所にしていきたいです。

城所 麻紀子(きどころ まきこ)
ボーズマン・モンテッソーリ保育士、元サンディエゴ日本人向け補習校講師、モンタナ州立大学院家族消費者科学科 修士課程
2020年からアメリカのモンタナ州の人口5万人の町で、モンテッソーリ保育園の保育士をしています。
アメリカといっても、白人約90%、アジア人約2%(最近増えました!)という環境です。
あまり日本人の方に知られていない、アメリカの田舎での教育や生活の様子などを共有できたらいいなあと思っています。
同じテーマの執筆者
ご意見・ご要望、お待ちしています!
この記事に対する皆様のご意見、ご要望をお寄せください。今後の記事制作の参考にさせていただきます。(なお個別・個人的なご質問・ご相談等に関してはお受けいたしかねます。)
この記事に関連するおススメ記事
「教育エッセイ」の最新記事













アグネスの教育アドバイス
映画と教育
震災を忘れない














この記事をクリップ
クリップした記事
ご意見・ご要望







