教員が描く「学校創り」の夢――地域・異校種と連携する新たな教育の形
今回は、普段一人で考えにふけることの多い「学校創り」についての夢を言語化しながら、学校創りを楽しむヒントを共有できればと思います。
明石市立鳥羽小学校 教諭 友弘 敬之
分散型リーダーシップと一教員の夢
「学校は校長先生が創るもの」
この考えは、半分正解であり半分不正解であると考えます。
なぜなら、以前の学校教育においてはまさに管理型のリーダーシップが求められていたからです。行政から降りてきた仕事を伝達し、監督し、指導する役割として捉える見方もあるでしょう。しかし、現在は分散型リーダーシップや協創型リーダーシップなど、管理職に求められるリーダーシップ像も大きく変容しています。
だからこそ、一教員として「どのような学校を創りたいのか」という、夢やビジョンを抱くことは何も悪いことではないと考えるわけです。では、少し私の夢を語りたいと思います。
夢その1:地域主体で運営する「地域の中の学校」
まず、真っ先に思い浮かぶことは地域の中の学校という在り方を実現することです。
現在の学校教育は、コミュニティースクール(コミスク)という名のもと、社会に開かれた教育課程を実現しようとしています。しかし実際には、学校運営協議会を設定し、年に数回会議をもち、教育目標の承認や地域の思いを共有するだけにとどまっている実践も少なくありません。
(あえて申し上げるなら、私の勤務する小学校は、コミスクが先進的に機能できている学校の実践として取り上げても申し分ないと感じています)
しかし、コミスクには限界があると感じています。それは、学校が発信元であるということです。つまり、学校が委員を選択し、教育委員会が承認して初めて組織される仕組みです。これでは、いくら先進的であっても、学校から地域へと働きかける機会には限度があります。
しかも、地域の方へ「あれも」「これも」と、なんでもお願いばかりする在り方に陥る恐れがあります。その結果、少しずつ地域の方が離れていくと感じています。だからこそ、そういった組織を地域主体で運営できるシステム創りを実現したいのです。
どうやって?ということについては、今は答えは出ていません。何せ夢なわけですから。しかし実際、私は第一歩を踏み出しています。それは、我が子の通う小学校の校長先生へ「何かできることはないでしょうか」と、売り込みに行ったことです。
もちろん、勤務校で実現することも一つでしょう。しかし、我が子の学校へ外から働きかけていく中で、地域が一体となって学校創りに取り組めるなんて素敵なことだと感じています。
夢その2:地域住民と子どもが空間を共有する学習環境
次に思い浮かぶことは、1つ目とも関連しますが、子どもたちが学習している同じ空間で、地域の人も学習している環境を作ることです。
具体的に説明します。例えば4時間目、授業のない音楽の専科の先生が、音楽室でお年寄りを対象としたリコーダーの学習を実施するというイメージです。もちろんその時間、子どもたちは自分たちの教室で学習に取り組んでいます。同じ学校内で、孫やひ孫の代と一緒に学習に取り組む。そんな素敵な空間が創れないかなと、夢を抱いています。
また、それに先駆けてではありますが、学校にカフェを併設し、管理職や空きコマの先生が地域の方とお茶をしている空間なんて、素敵だなあと思ったりするわけです。
夢その3:異校種交流を深める小・高合同運動会
最後に書いておこうと思うことは、近隣の高等学校と行う小・高合同運動会の実施です。
私の勤務する学校では数年前より近くの高校の先生とコラボした取り組みを実施しています。今は総合的な学習の時間に相互に交流する程度です。しかし今後は、もう少し大きなかかわりができないかと思案しています。
その一つが、高校の運動場で行う大運動会です。実施する競技をある程度限定し、みんなでワイワイ取り組める内容にすることで、小学生でも楽しめる会となることを企図したいわけです。
そういったつながりを作ることで、小学生にとっては憧れを抱く機会となるだろうし、高校生にとっては自尊感情やキャリア発達につながることも考えられます。
学校創りに対する新たな問い
さて、つらつらと夢を語ってきました。
今までは国語科の単元開発において、さまざまな夢を形にしてきました。「どのような言語活動を実施すると子どもたちが国語科を楽しんでくれるかな」という問いを追い続けてきたわけです。
それが今は、学校創りに教員としてどのようにかかわっていけるかという問いに替わってきました。ぜひ、皆さんの学校で行っている魅力あふれる取り組みも教えていただきたいものです。

友弘 敬之(ともひろ たかゆき)
明石市立鳥羽小学校 教諭
「単元学習」をテーマに学び続けてきました。その中で、「学習デザイン」「実の場」「問い」と、興味を広げてきました。今は「そもそも学びってなんだろう?」という問いと向き合っています。それは、子どもの学びだけではなく、教師としての、また大人としての学びも含みます。この学びの場を通して、私の問いを解決していきたいです。
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